株式会社ツタ様

株式会社ツタは、継手(2つの部分を接合する構造の総称)と呼ばれる部品の加工・製造を行って35年。主に、上水道、自動車、産業用機器など、約5,000品種の継手を製造している。省エネ活動を始めたのは2007年。当初は、コスト削減のひとつとして始められた。まずとりかかったのが電力の省エネ。消費されるエネルギーのなかでもっとも大きく、その省エネの効果は、作業効率の向上や製造ロスの減少にまで波及した。2008年7月に「SMARTMETER」(スマートメーター)ERIA(以下、ERIA)を導入し、さらに活動は進化。「ERIAがなければ、ここまで省エネは進まなかった」と語る、取締役専務 蔦 良仁氏にERIAの活用法を伺った。

ERIAによる省エネ活動の真価は「行動と意識の変化」に表れる
照明の改善で、省エネと検品効率の向上を両立

株式会社ツタ グリンピア工場は、1階は製造機器がひしめく工場、2階が検品や出荷準備を行う作業場となっている。作業場では以前から、高い天井に設置された蛍光灯により、手元まで明かりが届かず、検品しにくいという省エネとは別の課題があった。作業机に個別スタンドを設置するなどの対策を行っていたが、根本的な解決にはいたらなかった。さらに、目が疲れやすく、不具合の見落としが多かったのも事実。蔦氏は検品効率の向上と省エネの両面から改善に着手した。蛍光灯の吊り下げ位置を低くして手元に近づけるとともに、2本セットで設置されていた蛍光灯を反射板付きの蛍光灯1本へとすべて替えた。さらに作業机全体を明るく照らす照明も完備。それまでより少ない電力使用量にも関わらず照度が上り、さらに検品効率が向上した。不具合の早期発見は品質保持や製造ロスの削減にもつながる。「以前は、不具合が重なって、お叱りをいただくこともありましたが、いまは逆に、不具合が少なくなったとお褒めの言葉をいただけるまでになりました」。蔦氏の狙いどおり省エネと検品効率の向上に加えて、顧客満足の向上という相乗効果も生み出した。

屋根の二層化で作業場の室温を適正に

2階の作業場内では、夏になると空調をフル稼働にしても室温が30℃以上に達するという、もうひとつの問題点があった。ERIAを導入したのは2008年の夏。導入当初はアラームが毎日のように頻繁に鳴った。それは作業場内の懸念事項だった室温と空調稼動に対して、警告を鳴らしているようでもあった。「屋根素材のトタンが、日光を吸収して室温をぐんぐん上げているような…。ときには従業員が交替で、屋根に水撒きをしてしのぐ、という状況でした」と蔦氏は当時の状況を振り返った。より高出力で省エネタイプの空調への切り替えや、太陽光発電設備の設置も検討されたが、いずれも高額で、費用回収に時間がかかるとみて導入は見送られた。そして月日は流れて2010年春、蔦氏は知り合いからの紹介で、屋根の上に熱を吸収しない石こうボードを敷いて二層にする仕組みを知った。費用も低く抑えられることがわかると、すぐに工事を依頼。夏になるとその効果は顕著にあらわれた。前年までは空調をフル稼働しても外気と変わらない室温を計測していたが、今年は、80%の出力で稼働しても30℃を下回った。石こうボードを敷き詰めることで、-4~5℃の遮熱効果があることがわかった。

「見える化」効果で省エネは進む

また、「ERIAがなければ、ここまで省エネは進まなかった」と蔦氏が話すように、電力管理においても「見える化」の効果は大きかった。これまで明細書でしか把握できなかった使用量が時間ごとに見えたことで、どんな状況で高騰するのか分析することができ、そのたびに改善案が生まれていった。 分析を進めると、事業場内でもっとも電力を多く使うのが洗浄器で、製造機器の稼働と、洗浄器が同時に稼働したときにデマンドピークが訪れることがわかった。「よく考えると製造時に付着するゴミは出荷前に取り除けば問題ないので、製造機器と洗浄器を同じタイミングで稼働する必要がないことに気づきました」と蔦氏。そこで考えられたのが昼に製造し、夜に洗浄するという稼動の分散。夜間は空調や照明の稼働がないため、デマンドの面からみても余裕がある。また、夜間の電力使用に関しては水銀灯も見直した。敷地内には全部で7灯の水銀灯があり、外の明暗を感知することで入り切りがされていた。人の出入りがまったくない23時以降もつけっぱなしという状況に気づいた蔦氏はタイマー式へとすぐに変更。人の出入りがなくなる23時には完全に消えるようにし、点灯するのは3本だけに限定した。

「ERIA」が「考える現場」へと変える

その後、省エネ活動は電力以外のエネルギー削減にも波及した。次に改善されたのが、手洗い場の水道。蛇口をひねるタイプから、ワンプッシュで一定量出るものに切り替えた。「落ちにくい手の油汚れを石鹸でこすりとっている間、ずっと水が流れていることに気づきました。以前は、1回の手洗いでバケツ約1杯分もの水を垂れ流しにしていましたが、今は、洗面器半分程度の量で済んでいます」と、蔦氏は削減効果の大きさに手ごたえを感じている。「製造業にとって最大の省エネとは、モノを生産するときとしないときのメリハリをしっかりとすること。そして、製造ロスを極力少なくし、生産時間を短縮すること。そのためには、全員が考え、努力して改善を繰り返すことが必要です。ERIAによる省エネ活動は現場に考える力をもたらしました。今後も省エネ活動を『改善の源』として捉え、継続していきます」と蔦氏は話してくれた。

株式会社ツタ様
【所在地】 神奈川県 相模原市中央区田名塩田1-15-7
【TEL】 042-778-6660
【事業内容】 自動車部品・電気・空調設備・防災機器部品等の旋盤による部品加工及び組立仕上げ
【従業員数】 80名 ※2010年8月
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