ERIA 導入事例

春蘭の宿 さかえや様

事業内容温泉旅館
従業員数32名
所在地長野県下高井郡山ノ内町大字平穏2171
TEL0269-33-2531
URLhttp://www.e-sakaeya.jp/

 細い路地と石畳の情緒ある街並みが広がる湯めぐり発祥の地「渋温泉」。長野県奥信濃に「春蘭の宿 さかえや」がある。源泉掛け流しの湯と信州の食材を使用した懐石料理を堪能することができ、癒しのときを求めて全国からお客様が訪れる。2015年、同旅館は日本一輝く旅館として「旅館甲子園」で優勝を果たす。代表取締役の湯本晴彦氏は、障がい者や不登校の学生を対象に就労支援を行っており、同イベントでは旅館業務を通じて得たスタッフの気持ちの変化に焦点があてられた。本人や保護者からは、人としての成長を実感した喜びの声が寄せられる。「春蘭の宿 さかえや」ならではの取り組みについて、省エネの視点から話を伺った。

“ものの性を尽くすこと”省エネ活動は、人として成長する1つの手段である

灯油の削減を電気に応用

 「先代の頃から電圧を下げる節電器を導入するなど、以前から省エネは意識していました。ただ、その節電器が電力を多く消費していたなんて…」
と昔話を笑いながら話すのは、代表取締役の湯本晴彦氏。そうした省エネ意識は電気ではなく、まず価格が高騰していた灯油へ向けられた。空調は冷房、暖房ともにボイラーによる稼動だったが、暖房に比べ稼動率の低い冷房に同じ設備容量が適用され非効率だった。2007年、補助金を利用して太陽熱温水器とエコキュートを導入し、暖房は灯油、冷房は電気による稼動に切り替えた。
「新設備の導入による効果測定に向け行政に熱量データを提出すると、エネルギーの使用傾向を把握できるようになり、これを電気にも適用したいと考えました」。

お客様の動線に沿った空調稼動

 2013年5月、SMARTMETER ERIAを導入。電気稼動に移行した冷房が、デマンド値を引き上げてしまったため、電力ピークの制御に注力した。2~3階のレストラン、個室会場を開放する食事どきに警報が鳴る。施設内で最も消費電力が高いチラーを数分間止めることで大方警報は鳴り止むが、食事を終えた個室会場から順に空調を切り、稼動が重ならないよう対策をとっている。同様にチェックアウト時も、お客様が出発した客室から照明と空調を止めるようになった。こうした取り組みにより、冷房がボイラー稼動していた頃と同等までデマンド値が低下。また、照明スイッチには5種類のカラーシールを貼り、時間帯に応じた点灯箇所をわかりやすく表示することで、スタッフに無駄のない電気の使い方が定着した。

トイレ掃除から得た波及効果

 同旅館ではトイレ掃除を素手で行っている。湯本氏の「嫌なことから逃げず向き合ってほしい」という想いのもと始めた取り組みだった。当初スタッフは抵抗があったと話すが、限られた水や洗剤を使い、いかに効率的に作業するかということを考えるようになったという。また、お客様に取り替えの手間をとらせないよう、トイレットペーパーは一定の直径を下回ると客室から回収し学校へ寄付。トイレ掃除をきっかけにおもてなしの心をはじめ、モノを大切にする姿勢、業務の見直しなど、様々な気付きを得ることができた。さらに古くなった浴衣は和裁学校へ提供し、草履づくり体験にも活用するなど“ものの性を尽くす”活動が広まっている。

省エネはスタッフの成長における手段

 こうした活動は意識的に行っているのではなく、既に業務の一環として成立していると話す湯本氏。部署の垣根を越えたジョブローテーションを行い、調理場を含めたスタッフは、省エネ、リサイクルの取り組みについて全て把握しているという。
「当館のスタッフは、自分の担当業務さえこなしていればよいという考えではなく、様々な業務を経験し全員で旅館をよくしていこうとする士気の高い集団です。省エネは経営者の視点としては、確かに関心があります。しかし、経費削減のために省エネを行うのではなく、モノを大切にする心を養うこと、スタッフが人として成長する手段の1つとして、省エネがあればいいと思っています」。

導入実績

導入時期 2013年5月
契約電力114kW(2016年)⇒103kW(2013年)
11kW 9.6%削減
電気使用量 42万1202kWh(2012年6月~2013年4月)
⇒37万9162kWh(2015年6月~2016年4月)
4万2040kWh 9.9% 削減
営業時間 24時間(休:なし)

取材日:2016年4月

メディア情報

春蘭の宿 さかえや様の取り組みがテレビ番組「省エネの達人」で紹介されました。
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