ソウテックコーポレーション株式会社様の保安対応事例
2002年の創業以来、茨城県日立市で金属プレス製品製造を行うソウテックコーポレーション株式会社。 主に金属レーザー切断や金属プレス加工を行い、自動車のブレーキ部品及び電気部品などを製造している。2012年9月6日、そんな同社で落雷事故による停電が起こった。 日中の加工・製造業務が行われている最中の出来事。事故発生から復旧に至るまでの様子を取締役会長の三村相佑氏に伺った。
【時系列】
9月6日
15:30 停電事故発生
16:05 電気管理技術者・秋葉恭一が緊急応動
16:20 PAS破損を確認
20:00 VCT ケーブルの破損を確認
9月7日
08:30 PAS交換作業
15:00 VCT ケーブル引込み作業
9月8日
11:00 復旧作業完了
9月6日15時30分
茨城県日立市にあるソウテックコーポレーション株式会社の周辺には、15時ごろから強力な雷雲が発生。 断続的な落雷が起こっており、その地域を担当する日本テクノ協力会・日電協水戸グループの秋葉恭一は、顧客の停電事故に備え待機していた。 15時30分に同社が停電。その後、一度復旧するものの、大きな音を立てて二度目の停電が起こった。「とても大きな音でした。 近くで落ちたのではないかと社内で話していたのですが、しばらくしても復旧しない。ふと周辺を見渡すと近隣は明かりがつき始めていたのに、ここは暗いまま。 そのとき、雷がうちに落ちたことに気づいたのです。落雷による停電は初めてでしたので焦りましたよ」と取締役会長の三村相佑氏は当時を振り返る。
9月6日16時05分~
三村氏は落雷がわかるとすぐに秋葉へ連絡。停電事故に備えて待機していた秋葉は15分で現場に到着した。 そのころ、停電発生を受けて日本テクノ監視センターにも通報が入っており、発生地域における送電状況の確認作業が行われていた。一足早く駆けつけた秋葉は、落雷箇所とPASの破損を確認し、監視センターとそれぞれの状況を共有。 その後、PASのニ次側ケーブルを切り離して絶縁測定を行い、ケーブルの不良を確認した。そのため、キュービクル内の高圧機器に異常はなかったものの、即日復旧とはならなかった。 秋葉はあらためて現場調査を行い、新たなケーブルを電材商社にその場で発注。協力工事店と翌日の交換作業に向けた段取りを協議してその日の作業は終了した。
9月7日 8時30分
秋葉は協力工事店とともに早朝よりPAS交換作業を開始し、既存ケーブルの引き抜きに成功。その後、地絡方向継電器(DGR)の試験を実施するなど検査を続けながら、ケーブルの到着を待った。 15時にケーブルが到着すると、引込み作業から端子接続作業までを行い、二次側における作業は終了。翌9月8日に東京電力によるPAS一次側接続作業を行い、高圧交流気中負荷開閉器(AS)に電源を投入。 PAS動作試験・動力相回転チェック、各種負荷設備動作に異常が無いことを確認して、11時にソウテックコーポレーションの復旧作業は完了した。 「PASは敷地内の奥まった場所にあり、重機も入りにくそうでしたが、秋葉さんを中心に5~6名で手際よく作業してくれました」と三村氏はその状況を説明してくれた。
被害と保障について
三村氏に落雷事故を振り返ってもらった。「停電事故を体験してみて、これまで他人事と思っていた落雷の恐さを知るとともに、キュービクルの管理が自己責任であることをあらためて認識しました。 定期的な保安管理はもちろんですが、何かあったときにすぐに駆けつけてもらえる体制も必要。今回は停電事故に備えて待機してくれていた秋葉さんの存在が心強かったです。 停電事故発生から復旧まで約3日間を要しましたが、復旧までの工程やスケジュールを丁寧に説明してくれたため、復旧後は早期に業務を立て直すことができました。ま た、復旧にかかった費用負担についても、加入していた火災保険では適用外だったのですが、日本テクノ電気設備保証サービスでは満額保証。そのお金を使って避雷針を導入しました」。備えあれば憂いなし―。三村氏の表情からはそんな心情が伝わってきた。
事業内容 | 金属プレス製品製造 |
所在地 | 茨城県日立市留町1119-1 |
TEL | 0294-52-3919 |