エシカルとは英語で「倫理的な、道徳的な」という意味です。エシカル消費は「倫理的な消費」、すなわち「良識的に考えて、あえてこの商品を選ぶ」という行為です。
たとえばある商品を買う場合、通常はその商品をどのような人が、どのような労働条件でつくったのかなどについて知ることはできません。エシカル消費は商品がどのような過程を経てつくられるのかを正確に知り、認証などを取得している商品を選び、買うという消費行動です。
日本でもエシカル消費が定着しつつあります。エシカル消費の知名度が高まったのが、ミネラルウォーターの会社のキャンペーンです。その会社は売上に応じて途上国にきれいな水を供給することをうたい、消費者にエシカル消費の選択肢を与えました。また、大規模災害以降にその地方の商品を購入する動きや、売上の一部を被災地に寄付するといった動きも見られました。さらに、消費者庁は2015年5月から2年にわたり「倫理的消費」調査研究会を開催し、エシカル消費の普及に向けて調査・議論を行っています。
近年は生産委託先まで公表する企業や、食品ロスを減少させる取り組みを推進する企業、レジ袋を紙袋に切り替える企業、プラスチック製ストローを廃止する企業など、エシカル消費の選択肢は広がってきています。世の中にもっとエシカル消費が定着していけば、エシカルでないモノやサービスを提供している企業は淘汰されていくでしょう。今後の消費行動における注目のキーワードです。