福豊帝酸株式会社さまの導入事例 [Case 416]
見える化がもたらした省エネ成功のポイント
契約電力を上げないポンプのルール
産業用ガスを製造する同社。高圧ガス充填装置や検査機などが並び、事務所の空調と、液化ガスを搭載したタンクローリーの受け入れ作業でモーターポンプの稼働が重なると、電力ピークを迎える。30分単位でデマンドを確定させなければ契約電力量は変わらないため、同社はX時20分~40分の間と、X時50分~Y時10分の間はモーターポンプの稼働を中止するルールを作った。また、社内で夏季(16時~17時)冬季(17時以降)は、使っていない場所の省エネを徹底する「エコタイム」を実施している。
・タンクローリーの受け入れ時間をルール化
・グループウェアで「省エネ情報の告知」や「エコタイム」を告知
■ 導入効果「電気の「見える化」で業務の流れを把握」
導入時期2010年4月
タンクローリーの受け入れ時間をルール化
福岡県飯塚市にある福豊帝酸株式会社。2010年にSMARTMETER ERIA(以下、ERIA)を導入し、省エネ活動を進めてきた。産業用ガスを製造する現場では、高圧ガス充填装置や検査機などが並び、事務所の空調と、液化ガスを搭載したタンクローリーの受け入れ作業でモーターポンプの稼働が重なると、デマンドピークとなる。そこで管理部の木下二郎氏は、タンクローリーの受け入れ時間にルール(制限)を設け、20分~40分と50~10分は作業を行わないよう事業者へ伝えた。
グループウェアを活用した「エコタイム」
「電気の“見える化”でさまざまな対策を立てることができたほか、仕事の流れも見えてくるようになりました」。木下氏は、ERIAから得た情報を従業員へ広く伝えるため、社内のグループウェアで省エネ情報の配信を開始。その1つが「エコタイム」の実施だ。夏季(16時~17時)冬季(17時以降)は、使っていない場所の電気の省エネを徹底するよう呼びかけた。「毎日の意識づけ、その積み重ねこそが省エネの真理と信じて取り組んでいます」。同社は、2016年にSMART CLOCKを導入。それまでタイムリーな電力の使用状況は一部にしか伝えられていなかったが、より多くの従業員に伝わるようになると考え、導入を決めた。
少ない使用電力量でより多くの生産を実現
同社は近年、働き方改革の一環として業務改善を行っており、残業時間も短縮されているという。従業員の勤務時間が短くなれば、使用電力量も少なくなる。「生産性は間違いなく向上しています。少し大げさですが、電気の“見える化”により業務の進め方、働き方が変わりました」と木下氏。産業用ガスを中心とした生産量は年々右肩上がりで増加しているが、使用電力量は反比例しているという。このデータが同社の好調な業績を示している。
管理部 総務・企画Gr 主査 木下 二郎氏
目標デマンド値を超えないだけではなく、省エネも意識するため「45kW」という数値を目安にしており、「45kW」を超える回数は年3回以内を目標に活動を続けています。生産量が増えており、大幅な省エネは難しいですが、さらなる生産性の向上が私のモチベーションです。
企業概要 | |
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代表者 | 代表取締役社長 宮嶋 寛幸 |
事業内容 | 産業用ガス製造 |
従業員数 | 90名(2018年3月現在) |
所在地 | 福岡県飯塚市 |
取材日:2018年3月
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