パティスリーセゾンさまの導入事例 [Case 434]
見える化がもたらした省エネ成功のポイント
見える化が業務手法工夫の契機に
電気の「見える化」による電力のピークシフトが契約電力の大幅低減に結びつき、同社の省エネ意欲は高まった。スタッフはムダのない電気の使い方を意識するようになり、やがて調理手順の変更などに自主的に取り組むようになった。導入前に比べ売上は115%と伸長したが、契約電力・使用電力量ともに30%以上の改善効果を生んでいる。
・オーブンの立ち上げ分散と効率向上
・空調温度の統一
・デマンドピークを告げるアナウンス
■ 導入効果
導入時期2006年7月
電気料金が減らせるとは思ってもなかった
2006年7月に日本テクノの飛び込み営業を受け、サービスに関心を持ったオーナーシェフの杉岡昭夫氏。「夏はオーブンと空調をフル稼働するため、デマンドピークが出ます。当時は特に疑問も持たずに電気料金を支払っていましたが、保安とセットで運営コストが減らせるサービスだと知り、導入を決めました。今では“電気の見える化”はうちになくてはならないものになりました」。まずはオーブンの立ち上げ時間をずらし、売り場以外の厨房・休憩室の空調を25度に統一したところ、デマンド値は急速に下がったという。
スタッフの意識が変わった
同店では約3年前に空調と照明を最新設備に入れ替え、使用電力量の大幅引き下げを実現したが、杉岡氏は「見える化」によるスタッフの意識改善にコスト以上の価値を感じている。「導入前は休憩室の空調が終日動いていたことなどもありましたが、見える化によって“ムダを省こう”という意識が共有されました。デマンドピークが近づくと流れるアナウンスも効果的です。調理に集中していても音声が流れると、手を止めて周囲を見回し、空調を下げるか、止められる機器を探します。これは今までになかったことです」。
オーブンの使い方にも工夫が
実際の菓子づくり工程にも変化が生まれた。ゆっくりオーブンの温度を上げるためにスポンジケーキ(約180度)、チーズケーキ(約200度)の順に焼き、その後250度に上げてシュークリームの皮をパリッとさせるという具合に、低温から順次高温に移行するようなオーブンの使い方を徹底し、デマンド値の急な上昇を防いでいる。これも“見える化”があったからこそ生まれた改善だ。
ちなみに同店の売上は導入当時と比べ115%増加している。契約電力・使用電力量とも大幅に改善しており、日本テクノのサービスが生産性の向上にも寄与できた。

洋菓子を味わうというのは日常の中でワクワクし、感動していただく行為だと思っています。店内に一歩踏み込んだときからそう感じていただけるよう内装などに気を配っています。その裏でできる努力をする。お客さまには迷惑を掛けず、スタッフに無理強いもしていませんが、「見える化」は大きな効果を生みました。
企業概要 | |
---|---|
事業内容 | 洋菓子の製造・販売 |
従業員数 | 16名(2018年9月現在) |
所在地 | 福岡県飯塚市 |
取材日:2018年10月
この記事のPDFをダウンロードする。
(フォーム送信後に資料をダウンロードいただけます。)
ダウンロード