有限会社はざま園芸さまの導入事例 [Case 439]
見える化がもたらした省エネ成功のポイント
栽培と省エネの両立
胡蝶蘭などの観葉植物を栽培する同社では、植物を扱う特有の難しさがあった。胡蝶蘭の生育には適度な日光と室温の管理が欠かせない。結果的にビニールハウス内を太陽光で温めながら空調で冷やすという、相反する行動が必要になる。ハウス内に10台ある大型空調は消費電力の少ない最新のものを優先して使用することで使用電力量を抑えている。植物がストレスを感じないようにするため、温度調整も緩やかに行っている。
・3台の空調を5分間だけ停止
・寒冷紗(遮光シート)の厚さを調整
・冷房効率のよい新しい空調を優先稼働
■ 導入効果
導入時期2017年7月 取材時期:2018年11月
リアルタイムで電気を見たい
有限会社はざま園芸は、福岡県糸島市で胡蝶蘭をはじめ観葉植物を生産している。
「近隣の生産者が日本テクノのサービスを導入したと聞いていました。当時、新電力への切り替えも検討していましたが、請求書の実績報告しか見えないため、電気の使用方法を改善する余地がない。私の場合、ただ電気料金の単価を安くするというよりも、電気の使用傾向から知りたかったのです。そこでリアルタイムで電力量が見える日本テクノの商材に興味を持ちました」(波左間健氏)。
生産と省エネは相反する関係
胡蝶蘭は肌寒くなる時期に花をつける植物。つまりハウス内は、1年を通して晩秋の気候を再現しなければならない。冬は廃油で暖房を稼働しているため、特に電気を消費するのは7~8月。ただし、胡蝶蘭の育成と省エネは相反する関係にあった。それは空調でハウス内を23~24℃に保ちながら、太陽の光を入れなければならないということ。つまり冷やしながら温めている。
「たった1℃の差で花の大きさや輪数が変わってしまう繊細な植物のため、普段から温度・湿度の管理には注意しています」。
自分たちにできる範囲で取り組む
シビアに省エネに取り組むほど、品質が落ちる胡蝶蘭。波左間氏は植物が急激な温度変化を感じないよう、緩やかに調整することがポイントだと話す。ハウス内には大型空調が10台。SMART CLOCKが赤くなると3台の空調を5分間だけ止めたり、寒冷紗(遮光シート)の厚さを調整したりして採光を抑えた。また、空調は少しずつ入れ替えているため、新しい冷房効率のよいものを優先して稼働させている。こうして同社では電気の「見える化」を通して、美しい胡蝶蘭の育成と省エネを両立させた。
波左間 健氏
花は見て楽しむもの。「見た目は悪いが味はよし」というように、外見以外で価値を挽回することができません。だからこそ私たちは植物が心地よいと感じる環境を整えなければならない。品質向上にあたり、空調などの設備を増強すると電力量は増えますが、そのなかでムダを省いていきたいです。
企業概要 | |
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事業内容 | 園芸 |
従業員数 | 23名(2018年11月現在) |
所在地 | 福岡県糸島市 |
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