北海道ブルックスカントリークラブ[Case275]
50万坪というスケールの大きさと豊かな緑、そして自然の穏やかな起伏を生かしたコースが特長の「北海道ブルックスカントリークラブ」。札幌オープンや北海道オープンゴルフ選手権など、4年連続でトーナメントが開催される名コースで、安定したコンディションには定評がある。新千歳空港から15分という好立地で、ビギナーからマスターまで幅広いニーズに応えるゴルフ場だ。リゾート施設での省エネ活動は雰囲気をそこなわない気配りも必要となる。その取り組みの工夫を伺った。
見える化がもたらした省エネの成功ポイント
ゴルフコースの快適性を守りながら省エネを実現
ゴルフ場では芝の育成に使用するスプリンクラーの稼働で、多くの電力を使用する。ゴルフコースの環境整備と省エネは両立が難しい。代わりにクラブハウスでできる限りの省エネに取り組んだ。午前中フロント以外の空調は付けず、日中は窓を開けて風を入れ、空調の稼働台数を減らす。さらに照明のスイッチを色分けし、状況に合わせて照明を使い分けるなどの取り組みで、電力使用量約17%低減に成功した。
・省エネ活動のきっかけ
・館内のデマンドピーク対策
・スプリンクラーの消費電力
・省エネ活動の成果について
■ 導入効果
導入時期 | 2013年1月(取材時期 2014年8月) |
契約電力 | 269kW(2013年)⇒ 209kW(2014年) 22.3%DOWN! |
使用電力量 | 268,488kWh(2012年8月~2012年10月) ⇒ 221,005kWh(2013年8月~2013年10月) 17.6%DOWN! |
省エネ活動のきっかけ
北海道ブルックスカントリークラブにSMARTMETER ERIA(以下、ERIA)とSMART CLOCKが導入されたのは2013年5月。ゴルフ場というリゾート施設の特性上、日本テクノから電気の「見える化」が提案される前は、省エネ活動は難しいとみられていた。当時の様子について、営業部 係長の髙瀬仁氏は、「クラブハウスは常に“明るく快適”が基本ですが、できる限り低減はしたいと常々考えていました。日本テクノさんからお話をいただいたとき、例えば1年間トータルの使用量は同じでも、年間のピークを抑えることで電気料金を下げられると知り、これならお客さまに迷惑をかけずにできると直感しました」と話す。導入後の勉強会には各部署の代表者が参加し、電気料金の仕組みや省エネ活動の基礎について情報が共有された。警報が鳴ったらすぐに事務所から各部署へ内線を入れるなど、対応手順がその場で話し合われた。
館内のデマンドピーク対策
本格的な夏を迎え、警報が鳴る頻度も増えてきた。デマンド閲覧サービスで確認すると、警報は週末の13時~15時に集中していた。「クラブハウスにお客さまが戻られる時間帯に電力使用が集中するため、この時間帯はとくに注意が必要です」と髙瀬氏。レストランの厨房にある冷凍・冷蔵庫や、サウナのボイラーなどは、5分~10分程度であれば止めても問題のないことがわかり、主な対応箇所となった。さらに髙瀬氏は、ホワイトボードに前日のデマンド値を書き出すことで、スタッフに省エネを意識してもらうよう工夫した。レストランの空調は、新しく導入したものから稼働させることを心がけている。また、レストランには窓が多くあり、開放するとかなりの風が通る点に着目。外気温がそれほど高くなければ、空調稼働から窓の開放に切替えるといった工夫も行っている。また、お風呂の脱衣所は、ラウンド中は誰もいないため、空調を止めるか弱めに設定することで消費電力を抑えた。
スプリンクラーの消費電力
その後もデマンドピークの原因を探っていると、コースにあるスプリンクラーが回っている時間帯と重なることもわかった。スプリンクラーは芝の育成やコース管理には欠かせない大切な作業であり、ラウンド中のお客さまにも配慮する必要がある。お客さまのラウンド状況によって合間の時間で行うため、できるときに優先して稼働させるというルールがある。「スプリンクラーの管理棟は、少し離れた場所にあり、クラブハウスからは直接動きが確認できません。ピーク時間帯になると、管理棟へ連絡しスプリンクラーの稼働状況を確認します。そのとき、動いていないということがわかれば、クラブハウス内に原因がありますので、対応する範囲を広げるといった基準にしています」。
省エネ活動の成果について
継続したデマンド対策によりスタッフにも省エネ意識が芽生え、警報時以外でも行動がみられるようになった。電動カートの充電を夜間に行うようになったほか、これまでは日中でも点けていたカート置き場の外灯も消すように。常時20℃に設定されていた館内の空調の温度は、28℃を基本としてその数値に近づけるよう調整が進められた。一連の省エネ活動の結果、契約電力22.3%の低減、使用電力量は8月~10月でみると17.6%低減という成果が出た。「どの時間帯にデマンドピークが来るのか、その傾向がわかったことで、対策が立てられるようになりました。それでも夏は連絡と連携が重要になります。これまでは、前日の最大デマンド値を貼り出すだけでしたが、今年の夏からは朝礼でも情報を共有し、取り組みを一層徹底していきたいと思います」。
お話を伺ったのは
企業概要
代表者 代表取締役 早川雅夫 |
事業内容 ゴルフ場 |
設立 1992年 |
従業員数 70名 |
所在地 北海道苫小牧市字植苗 |
TEL 0144-58-3355 |
URL http://www.brooks-c.com/ |
取材日 2014年5月 |
省エネの達人『企業編』でも放映されました!
テレビ番組 省エネの達人『企業編』で取り上げられました。
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