株式会社アベ・サプライさまの導入事例[Case390]
見える化がもたらした省エネ成功のポイント
省エネ効果の一層の積み増し
クリーニング業を営む同社は、環境省のCO2抑制対策の補助金を積極的に活用し、乾燥機(ボイラー)を重油タイプからガスタイプへ変更、さらに配管や継ぎ手にカバーを施すなど、エネルギーの効率的な利用を進めていた。使用電力量の抑制もトータルでの省エネ対策の一環である。現場のスタッフも改善に積極的で、すすぎ水の温度を上げて乾燥時間短縮を図るなど、常にアイデアを出しては検証作業を行っている。
・電気・ガスの使用量を減らす設備改善
・運用改善で人の工夫も生かす
・業務量を平準化し、繁忙・閑散期の差を抑える
■ 導入効果
設備改善①重油からガスへ変更
アベ・サプライはホテルやレジャー施設、病院などにリネンやパジャマ、介護用品などを供給しており、稲城事業所はリネンなどの洗濯・乾燥・アイロン加工を行う。「人手が必要な業種なので、人件費以外のコスト圧縮のため省エネに投資し、エネルギー使用の最適化を図っています」と代表取締役社長の阿部文浩氏は言う。同社では全工程で機器類の効率改善に取り組んだ。たとえば乾燥機(ボイラー)は重油タイプからガスタイプに変更することで、エネルギー使用量を約10%削減した。また配管や継ぎ手には写真のようなカバーを施し、放熱ロスを防いでいる。
設備改善②労働環境を重視しながら使用電力量削減
使用電力量は「SMARTMETER ERIA」と「SMART CLOCK」で監視している。同社のデマンドピークは主に夏だが、空調は労働環境の生命線で簡単には落とせない。そこで同社は室内の蛍光灯や水銀灯をLEDに変更するなどして、電力使用量を減らしてきた。空調は作業者に直接冷気を当てるスポットクーラーを取り入れ、一部で井戸水を利用したチラー(冷却水循環)タイプに変更。また空調の届きにくい場所にミスト噴霧器をつけるなど工夫し、設備改善を行った。
ムダを探して改善する「人の工夫」
同社では設備改善のみならず、日々の運用改善も効果を発揮している。たとえばすすぎ。すすぎ時の水温を上げることで、乾燥時間が約10%短縮できそうなことがわかり、現在検証を繰り返している。これは現場スタッフの発案によるものだ。また、以前は日帰り入浴施設などの顧客が多く、繁忙期と閑散期で取扱量に差があった。そこで阿部氏は平日需要の多い研修所や病院などにもリネン類の供給を開始。その結果、稼働率の凹凸がならされ、エネルギーの使用がより効率的になった。
Comment コメント
代表取締役社長 阿部 文浩氏
「設備改善では環境省のCO2抑制対策の補助金を積極的に活用しています。改善前に比べて取扱量は年々増えており、売上は135%ほどとなっております。これに対し、エネルギーの使用量は削減できているので、投資効果は高いと思います。今後は社員と相談しながら休日設定の見直しなどで業務の平準化をさらに進めようと考えています」
企業概要 | |
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事業内容 | 生活関連サービス業(リネンサプライ) |
従業員数 | 150名 |
所在地 | 東京都稲城市 |
取材日:2017年9月
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