作業状況を把握して電気のムダを防ぐ

株式会社チクマピーディー広島さまの導入事例[Case253]

 株式会社チクマピーディー広島は学生服や事務服などのユニフォームを扱う物流倉庫。4階建て、10,000平米の広さに100万点の衣類を保管し、検品・加工・入出荷などの作業を行う。SMARTMETER ERIA(以下、ERIA)とSMART CLOCKが導入されたのは、2012年6月。警報によるデマンドピーク対策とデマンド閲覧サービスの活用法を代表取締役の與ノ道明氏と総務・経理の大松澤照幸氏に伺った。


見える化がもたらした省エネの成功ポイント

作業状況によって空調の稼働を調節
 洋服の入荷・保管・出荷業務を行う同社では、保管エリアにおける作業時以外の消灯を徹底し、空調も9台のうち3台のみ稼働している。入荷・出荷エリアでは常に従業員がいるため9台のうち6台を稼働。また、ほとんど使用しないエリアはすべての空調を停止し、常に従業員がいる作業エリアでは稼働するなど、作業状況によって調整した。快適な職場環境を損なわない空調の調整をして省エネに取り組んでいる。
 ・取扱商品の増加が原因
 社内放送で作業状況を共有
 月間目標管理レポートを活用
 本格的な省エネ活動を

■ 導入効果

導入時期2012年6月(取材時期 2014年2月)
契約電力268kW(2012年)→236kW(2013年)
11.9%DOWN!
使用電力量401,891kWh(2012年1月~2012年12月)
⇒ 354,037kWh(2013年1月~2013年12月)
11.9%DOWN!

取扱商品の増加が原因

 株式会社チクマピーディー広島では、2012年の初め頃から取扱商品が3割ほど増加し、4階まである倉庫をフル稼働させる状態が続いていた。代表取締役の與ノ道明氏は「空調の使用量も増えて、月々の電気代が前年同月比で20万円ほど上がってしまいました」と当時を振り返る。これまではデマンドの仕組みも明確にはわからず「電気は使ったら使ったぶんだけ支払うもの」、そんなばく然とした考えをもっていた。そんな状況のなかで日本テクノからERIAとSMART CLOCKを使った電気の「見える化」の提案を受けた與ノ氏。一転して、経費削減を見据えた省エネ対策を本格的に意識するようになったという。

社内放送で作業状況を共有

 與ノ氏とともに省エネを中心になって進めるのは総務・経理を担当する大松澤照幸氏。電気の使用状況をERIAやSMART CLOCKを使って確認してみると、商品の搬入時に警報が鳴る。「ERIAモニターで現在デマンドを見ていると10秒に1kWくらいずつ、どんどん上がっていきます。初めはびっくりしましたが、すぐにバーチレーター(荷物用のエレベーター)が原因だとわかりました」と大松澤氏。
 同社ではバーチレーターを使用しての搬入搬出作業が、午前午後を問わず行われる。当初は警報に合わせて空調を5~6基切ることでピークを回避していたが、徐々に搬入時のルールが取り決められた。まずは搬入時に担当者が「これからバーチレーターを使用します」、作業後には「使用終わりました」と社内放送を行う。大松澤氏は放送に合わせて事務所に集約されている空調のスイッチを操作。「作業を事前に知ることで、あわてずにデマンドの対策がとれるようになりました」と話す。

月間目標管理レポートを活用

 倉庫内の見回りも省エネにつながった。與ノ氏は倉庫内の見取り図と照らし合わせながら全体を回り、温度管理の要・不要の見直しを行った。「取扱商品の増加にともない、レイアウトを変更した部分も多かった」。見回りのポイントは空調が必要な場所はどこか、従業員の作業に支障はないかという点。これを見極めて、作業エリアを中心に稼働させる空調を決めていった。さらに空調スイッチも作業エリアを重要設備(青色)、保管エリアを通常設備(緑色)に色分けすることで、デマンド警報時にはこれを目印に空調のオン・オフを行う。
 デマンド閲覧サービスも有効活用されている。與ノ氏は「月間目標」ページから月ごとのピークデマンド値と使用量の一覧表を出力し、手書きのコメントを追加する。目標数値や電気料金を知らせるとともに「気温も下がりましたので目標達成を!」「目標達成、感謝します」など従業員へのメッセージも添えてタイムカードの横に貼り出し。情報共有のツールとなっている。

本格的な省エネ活動を

 同社ではデマンド対策と並行して遮熱フィルムの取り付けや、倉庫内1500本の照明のLEDへの入れ替えなど設備改善も進めてきた。結果、契約電力で11.9%低減、使用量も11.9%低減と、大きな成果をあげている。「決して無理なことをしてきたわけではありません。電気の見える化が電気代の仕組みのおもしろさを教えてくれました」と與ノ氏。さらにまだまだ本格的な省エネ活動とはいえないとも話す。「今後は作業エリアと保管エリアの明確な区分や、時間差での作業分担なども考えて、着実に使用量の低減にも取り組んでいきたい」。
 また、ここでの取り組みは系列施設へも横展開させていく。チクマピーディー広島が省エネの情報発信拠点となり、さらなる活動の広がりと大きな成果を生み出していく。


お話を伺ったのは

代表取締役 與ノ道明氏
大松澤照幸氏

省エネの達人『企業編』でも放映されました!

テレビ番組 省エネの達人『企業編』で取り上げられました。
クリックで動画を再生します。(4分00秒)



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