デマンドピークの原因は照明 「見える化」で正しい対策が可能に

学校法人三育学院 横浜三育小学校[Case220]

 学校法人三育学院 横浜三育小学校は児童数93名、神奈川県横浜市にあるキリスト教教育を土台とした小学校。1クラス定員20名の少人数体制のなかで、1年生から取り組む英語学習や人への奉仕の心を育むための労作教育に力を入れ、「知・徳・体」調和のとれた成長をめざした教育が行われている。電気の「見える化」をきっかけとした同校の省エネ活動について話を伺った。


見える化がもたらした省エネ成功のポイント

ポイントは照明の調整!省エネと読書を両立
 同校では、電気使用量のうち半分を照明が占めていた。そこで、省エネのカギとなる体育館とチャペルの照明のつけ方を見直した。体育館では4列ある照明のうち2列だけを点け、館内の大きな窓から採光し、授業に差し支えない明るさを確保。さらにチャペルの照明はスイッチで明るさを調整し以前の明るさの70%まで落としたが、児童が読書できる明るさは維持している。省エネ意識を高め、自分たちにできる取り組みを続けている。
・ERIAモニターのわかりやすさが魅力
・デマンド値に対する思い込み
・教室による温度の違いを発見
・意識が生み出す工夫

■ 導入効果

導入時期2011年1月(取材時期  2013年5月)
契約電力70kW(2010年)⇒42kW(2011年)
40.0% DOWN!
使用電力量90,279kWh(2010年4月~2012年3月)
⇒9,172kWh(2012年4月~2013年4月)
23.4% DOWN!

ERIAモニターのわかりやすさが魅力

 横浜三育小学校の職員室に「SMRTMETER EIRA」(以下、ERIA)のモニターがやってきたのは2011年1月。同校ではデマンド管理による省エネ対策についてはさまざまな企業から案内をもらっていたが、モニターに表情が映し出されるERIAは、もっとも見た目がわかりやすいシステムと評価いただけた。また、系列の学校ですでに導入され、わかりやすさを活かして、児童の環境教育にERIAを活用されいていた。
 同校のデマンド値は年間平均で40kW前後。一方でピーク時には65~70kWまで上がる。20kWを超える差を何とかしなければいけないという気持ちが起点となり、同校の挑戦が始まった。

デマンド値に対する思い込み

 導入後、過去の使用量に基づきERIAの目標値を決めて、デマンド管理に取り組んでいくと、意外な動きが見られた。空調をつけていない時間帯にデマンドが上がり、ERIAの警報が鳴る。デマンド上昇の原因は空調だと思い込んでいたが、デマンド閲覧サービスで使用量の流れを確認してみると、チャペルと体育館の使用が関係していることがわかった。
 チャペルには200Wの電球が18灯、体育館には水銀灯が18灯設置されており、授業や掃除など2カ所を同時に使用する時間帯に使用量が上がる。そこで同校では、体育館の照明は列ごとに使用を制限。また、調光機能のついているチャペルの照明は、これまで常に最大の明るさで使っていたが、用途に合わせて調整し、窓側など明るい場所はなるべく照明をつけないようルールを決めた。

教室による温度の違いを発見

 冷房を利用する夏は、各教室でもERIAの警報時には2基ある空調のうち1基を一時的に止めることに決めた。しかし、ここでも実際に取り組んでみると4年生の担当教師から「暑くなり児童の体調管理が心配だ」という声が上がった。はじめのうちこそ、我慢してほしいと協力をお願いしていたが、各教室の温度と湿度を調べてみると、4年生の教室はとりわけ温度が高いことがわかった。原因は玄関の熱が2階にある4年生教室に流れていることが考えられた。そこで、玄関の天窓に斜熱フィルムを貼ることで温度を抑えた。
 さらに学校全体に省エネ意識を定着させるため、各教室のスイッチには「消し忘れ注意」と書いたステッカーや、つける場所・消す場所を色分けしたシールを貼っていった。子どもたちに、ただ“エネルギー低減”といってもイメージしにくい。身近で、目で見てわかりやすい方法を取るようにしたのである。また、児童会では生活美化係が中心となって省エネ強化週間を設定。授業ではグリーンカーテンにも挑戦した。

意識が生み出す工夫

 電気の「見える化」によるデマンド管理とその対策は、チャペルの照明や教室による温度差など、これまで当たり前に使用してきた空調や照明などの設備を見直す機会につながった。今後はデマンド対策とあわせて、さらなる使用量の低減にも取り組んでいく。ただし、設備改善には慎重な対応が必要だ。たとえば体育館ではLEDの導入も検討したが、光がまぶしくなり、ボールやバドミントンのシャトルが見えにくくなる心配があったため、別の方法を考えているとのことだ。まずはデマンド対策と同様、自分たちのできることを考えていく。「見える化」による省エネ意識の高まりが、さらなる工夫を生み出していくだろう。


企業概要
開設1957年
事業内容教育・学習支援業
従業員数11名
所在地神奈川県横浜市旭区
TEL045-921-0447
WEBhttps://www.yokohama-san-iku.ed.jp/

省エネの達人『企業編』でも放映されました!

テレビ番組 省エネの達人『企業編』で取り上げられました。
クリックで動画再生します。(4分00秒)



この記事のPDFをダウンロードする。
(フォーム送信後に資料をダウンロードいただけます。)
ダウンロード

商品・サービスの詳細や導入について
お気軽にご相談ください
お問い合せ
商品・サービスの詳細や導入について
資料(PDF)をダウンロードいただけます
資料ダウンロード

関連記事

  1. 快適な環境をめざして空調をコントロール

  2. 入居者へのサービス向上と省エネを両立

  3. 床暖房の稼働時間を見直して 契約電力と使用電力量を低減

  4. お客さまの滞在エリアに合わせて省エネ

  5. 現場に合わせた個々の省エネ活動を実施

  6. 【こども園の省エネ】子どもが小さいうちから、省エネ意識を根付かせたい

  1. 「SMART CLOCK」効果で省エネは新たなステージへ!

    2022.04.07

  2. 幼児期から省エネに親しみ、SMART CLOCKに込めた環境への思い

    2012.11.01

  3. 【医師会の省エネ】省エネで地域医療と福祉・健康に貢献!

    2020.12.10

  4. オフィスの省エネで48 コマ設定を使いこなす!

    2022.02.24

  5. 【小売業の省エネ】「見える化」でよりコストへの意識が深化する

    2020.04.09

  6. 【小売業の省エネ】省エネとサービスの両立。一歩踏み込む勇気が改…

    2019.10.10

  7. デマンドピークの原因は照明 「見える化」で正しい対策が可能に

    2013.05.01

  8. アドバイスで実現した 年間約100万円のコスト改善【鳥羽割烹たまも…

    2016.12.20

  9. 【製造業の省エネ】100年企業から200年企業へ、日々挑戦

    2020.11.26

  10. シフト調整を行い工場の稼働を停止

    2022.09.08