照明・空調の使い方をルール化
設備改善も奏効して大きな省エネ効果を得る!

株式会社ナップス三鷹東八店[Case336]

 株式会社ナップスは、バイク用品、パーツ、ウェアなどを扱うバイクの専門店を展開する。東京都三鷹市にある「ナップス 三鷹東八店」は、店舗のほかオイル交換や点検・洗車などのPITサービスも揃う大型店。店長の神森和茂氏(当時)は「買い物だけでなく、地域の情報発信拠点として、いつでも気軽に立ち寄っていただける場所をめざしています」と話す。店舗の快適性と、省エネ活動の両立について神森氏に話を聞いた。


見える化がもたらした省エネの成功ポイント

照明・空調の入れ替えが効果大
デマンド値がピークとなるのは夏場の昼から。2階の売り場や1階駐輪場合わせて約180本の蛍光灯やスポット照明をLEDに交換し、駐輪場では間引きも行った。
さらに空調の立ち上げ方を工夫し、稼働台数を制限することで使用電力量削減を図った。さらに日差しの強い南側については空調を高効率のものに入れ替え、一層の使用電力量低減が実現した。
・照明を間引き・LED化
・空調の稼働を工夫
・空調の入れ替え

■ 導入効果

導入時期2009年9月(取材時期 2015年10月)
契約電力173kW(2010年)⇒ 121kW(2015年)
30.0%DOWN!
使用電力量419,615kWh(2009年11月~2010年10月)
⇒ 295,982kWh(2014年11月~2015年10月)
29.4%DOWN!

バックヤードの省エネからスタート

 

「電気の見える化で店舗の構造やお客さまの快適性など、さまざまな視点をもって省エネに取り組むようになりました」と話すのは、ナップス三鷹東八店店長の神森和茂氏(取材当時)。神森氏が店長になったのは5年ほど前で、その際にSMARTMETER ERIA(以下、ERIA)の使い方を前任者から引き継いだ。以前から店舗全体で省エネに取り組んでいたものの、自身がマネジメントする立場になったことで、さらに強く電気代などを意識するようになったという。
 デマンド値がピークとなるのは夏場の昼から。気温の上昇とともにERIAの警報が鳴る。最初に着目したのは、お客さまに迷惑がかからないようバックヤードの空調や照明を切ること。しかし、事務所や倉庫などの限られたスペースでは、大幅な低減は難しい。神森氏は省エネの視点を売り場にも広げて、対策を考えていった。

照明の使い方をルール化

 

バックヤードでのデマンドピーク対策に加え、2階の売り場や1階駐輪場では、照明のLED化を実行。1、2階合わせて約180本の蛍光灯やスポット照明をLEDに交換し、駐輪場では間引きも行った。「これまでは、とにかく明るいことがいいお店の条件だと思っていました。隅のタイヤ置き場の上など、不要なところまで明るく照らしていたのです」と神森氏。現在では間引いたうえで、時間帯や天候に合わせて調整している。
 また店内では開店準備・閉店後の照明の使い方をルール化。掃除や後片付けは必要最小限の明かりで行い、商品を照らすスポット照明は開店ぎりぎりまでつけない。照明スイッチに色つきシールを貼って、点灯ルールを共有している。店舗入り口の外灯は、2回に分けて点灯させるようタイマー設定。電力負荷の高い水銀灯も、順次LEDへの交換が進んでいる。

空調の稼働台数を制限

 

空調の使い方にも工夫がある。店内に設置されている空調22台のうち、開店前から使用するのは6台のみ。開店と同時にこの6台を切って、残りの空調を立ち上げる。こうすることですべてを稼働させなくても、店舗全体を快適な状態に保てるようになった。
さらに夏のデマンド値が上がる時期には、屋上に設置した散水ホースで水を撒く。「店舗の上はトタン屋根になっているので、コンクリートなどの建物と違い、外気の影響を受けやすい構造です。ERIAの警報が鳴る前から散水することで、少しでも空調の負荷を軽減できればと考えました」。こうした工夫を重ねることで、ERIA導入当初の2010年に173kWだったデマンド値が、2014年には137kWとなり、年間の電力使用量も約22%の低減に成功した。

空調の入れ替えでさらなる効果

 

試行錯誤の省エネを続けて削減成果を出してきた同店だが、2015年4月の空調の入れ替えが、さらなる省エネの一歩となった。店内の22台のうち、日差しの強い南側の14台を入れ替え。「限られた費用のなかで、より効果の高い設備改善を心がけました」と神森氏。空調入れ替えの効果を確認するために、前年まで行ってきた屋根への散水は実施しないで夏を終えたが、2014年と比較してデマンド値が13kW、使用量も8.78%低減した。小さな運用改善の積み重ねと、設備改善の双方が結果につながった。
 神森氏はデマンド閲覧サービスからメールで送信されてくる「日次レポート」や「デマンド目標値見直し」の通知も有効活用している。「季節に合わせてデマンド目標値の見直しを促してくれるので、それを参考に設定値を変更しています。メールが省エネ活動の判断材料のひとつになっています」。同社では系列店合同の会議でも、省エネの取り組みが情報共有されている。今後も省エネ活動の継続・拡大にさらなる力を入れていく。

店内に置いた冷たいおしぼりのサービスも省エネの一環。汗を抑えて、さっぱりとしてからお買い物を楽しんでいただく。

お話を伺ったのは

店長 神森和茂氏


企業概要
事業内容 オートバイ用品・部品の販売
従業員数 30名
所在地 東京都三鷹市

省エネの達人『企業編』でも放映されました!

テレビ番組 省エネの達人『企業編』で取り上げられました。
クリックで動画再生します。(4分00秒)



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