継続のコツは「無理をしないこと」
式場の省エネも工夫次第

株式会社加納[Case190]

 株式会社加納は大阪府豊中市と箕面市に3ヵ所の葬儀式場を展開する、明治末創業の歴史ある葬儀社。奉仕活動の一環として人形供養祭や式場を利用したセミナー開催など、地元の人々との絆を大切に、地域に根差した事業を続けてきた。本社機能と大小3つの式場を揃える豊中市の「加納会館 本館」では、家族葬から社葬までさまざまな葬儀が執り行われている。式場でも実行できる無理のない省エネ活動について同社営業部長の上村威氏と、エコリーダーの竹下慎一氏、伊藤かおり氏、森嶋亜樹氏に話を伺った。


見える化がもたらした省エネの成功ポイント

省エネの「3つの約束」。省エネリーダーが活動を牽引!
約100年の歴史をもつ葬祭社である同社には、自主的な省エネ活動を牽引する「省エネリーダー」が3名いる。省エネリーダーは誰でも簡単に取り組めるエアコンの「3つの約束」を提案した。①エアコンは最少台数で、②20℃設定、③扉は開けたら速やかに閉める。この約束をドアや壁など社内のいたるところに掲示して、従業員の意識向上を図った。ほかにも明るさに問題のないエントランスは、照明の電球を100Wから40Wに付け替えた。これらの取り組みで使用電力量約12.6%低減に成功した。
・省エネ活動の2つの目的
・3つの約束を実行
・式場スタッフとの連携

・今冬の目標

■ 導入効果

導入時期2012年5月(取材時期 2012年11月)
契約電力147kW(2011年)⇒ 135kW(2012年)
8.1%DOWN!
使用電力量133,193kWh(2011年5月~10月)
⇒ 116,401kWh(2012年5月~10月)
12.6%DOWN!

省エネ活動の2つの目的

 「省エネ活動を通して組織的な体制を確立することができたらという想いがありました」と話すのは、株式会社加納営業部部長の上村威氏。2012年5月の「SMARTMETER ERIA」(以下、ERIA)と「SMART CLOCK」の導入を機に従業員のなかからエコリーダーを3名選出した。「以前から電気料金が高いと感じていたので、低減したいという思いはもちろんありました。しかし、最大の目的は電気の“見える化”を利用して社内の協力・連絡体制や連帯感を強化することでした。活動内容はエコリーダーに中心となって決めてもらい、それを実行するのは経営陣や役職者を含むすべての社員です」。上村氏は全員で取り組んでいくことのみを事前に取り決めて、活動はエコリーダーに一任した。

電気の”見える化”で省エネ活動を支えるSMART CLOCK

3つの約束を実行

 エコリーダーの任期は1年間。選ばれたのは、総務課の竹下慎一氏と、現場でお客さまに接する、伊藤かおりチーフ、森嶋亜樹氏。ERIA導入後に3氏は“省エネ活動の3つの約束”を決めてポスターを作成した。①エアコンを最少台数で稼働させること。②設定温度は27℃(冬は20℃)。③扉を開けたら速やかに閉める。以上3つの約束は、一見当然のことのようにも思えるが、伊藤氏は「あまり難しいことを決めてしまうとみんなで動くことができません。忙しいときでも無理をせずに、全員でできることを念頭において考えました」と話す。
 具体的には開式前、出棺後などお客さまが小人数になる時間帯はエアコンの稼働台数を減らす。利用人数や天候に合わせて必要な台数のみを稼働させる。また、バックヤードではひとつの部屋をビニールカーテンで分けて、必要な場所だけエアコンを稼働させた。さらにこれらの取り組みや低減結果は「エコ対策 月次報告書」というかたちでまとめて回覧し、社内に周知していった。

省エネ活動の成果を知らせる「エコ対策 月次報告書」

式場スタッフとの連携

 デマンド値がピークを迎えるのは、夏場だと気温が上がる午後2時から4時までの時間帯。ERIAモニターの警報が鳴ると、竹下氏は事務所の空調を一時的に止めるとともに、各階のスタッフにもお客さまに影響のない範囲で協力を要請する。式の途中で担当者の手が離せない時には、館内をまわり担当スタッフに声をかけてから竹下氏自身が空調を切る。「切ったことを伝えておくことで、あとから“お客さまが汗をかいていた”などの報告が入ることもあり、次にデマンド値が上がったときの対応に活かすことができます」と竹下氏。社内の協力により、徐々にお客さまに迷惑のかからない省エネ活動の範囲が確立していった。
 さらに省エネ意識をもつことで、使用量低減にもつながる取り組みもみられるようになってきた。1年を通して空調を使用していた社内では季節に応じて窓の開閉を行い温度調整。蛍光灯にはスイッチ紐をつけて必要な場所のみ点灯する。式場でも「暑いなかを急いで来場されたお客さまには冷たいおしぼりをお出しする。逆に寒そうにしている方は暖房の効く暖かい場所に誘導するなど、お客さまへの気配りが省エネにつながっていくこともあります」。


今冬の目標

 2012年11月、ERIA導入から半年ほどが経ち、デマンド値約8%、使用量約12%の低減結果を出すことができた。「一人ひとりが少しだけ意識を変えることで、ここまでの結果を出すことができました。その結果を毎月社内に公表することでさらなるやる気も出てきます」と森嶋氏。今冬の目標は前年2月のピークデマンド値である135 kWをオーバーしないことに決めた。
 最後に上村氏はこう話す。「取り組みを始めたばかりですので、省エネも、組織的な社内体制づくりも、まずは1年間やりきることが大切だと思っています。そして、いい結果も悪い結果もきちんと社内に周知して、うまくいかなかったらまた違う方法をみんなで考えてやっていけばいいのです」。上村氏と3名のエコリーダーが築く活動の基盤を次のエコリーダーが引き継ぐことで、今後も無理のない省エネ活動が展開されていくだろう。

エコリーダーが牽引する省エネ活動「3つの約束」

お話を伺ったのは

営業部 部長 上村 威氏
総務課 係長 竹下 慎一氏
営業部 伊藤 かおり氏
営業部 森嶋 亜樹 氏
企業概要
設立 1912年(明治45年)
事業内容葬儀全般に関する設営・運営等
従業員数60名
所在地 大阪府豊中市

省エネの達人『企業編』でも放映されました!

テレビ番組 省エネの達人『企業編』で取り上げられました。
クリックで動画再生します。(4分00秒)



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