解ると見える、見えると解る、すべての解決策は現場にある【株式会社マツオ フラノーブル マツオさま】

株式会社マツオ フラノーブル マツオさまの導入事例 [Case 210]

北海道名物ジンギスカン。半世紀にわたって美味しさにこだわり続ける松尾ジンギスカンが、1997年に北海道の中心『へそのまち』富良野の敷地6000坪に600坪の大型レストランと北海道各地のお土産が揃う販売店を建設。総収容数は1,000名を超える。パノラマレストランとして周りの田園風景を一望でき、大自然のなかでゆっくりと食事と買い物が楽しめる「フラノーブル マツオ」。お客様の9割が旅行会社経由のバス観光客である。ちょっとした流行の変化や気候変動によっても来客数は増減し、その差は大きい。営業課長と店長を兼任する長谷川和久氏に店舗運営と経費削減について伺った。

■ 導入効果■
契約電力 192kW(2011年)→174kW(2012年)
-18kW改善
電気使用量 31万2489kWh(2011年9月〜2012年3月)
→26万8484kWh(2012年9月〜2013年3月)
-4万4995kWh (14.1%) 改善
導入時期 2012年8月
営業時間 24時間(年中無休:12/31、1/1除く)
大型店運営における経費削減

「ジャンボジェット機の運航と同じです。一度に多くの人を運ぶことができる反面、座席が埋まらなくても飛ばなければいけない。我々は毎日この施設で営業をしている」と観光地の大型店運営の難しさを表現した。長谷川氏はオープン時の店長で、その後、本店で数年間勤務し、7年前に戻ってきた。気がついたことは些細なことでもまずはやってみる同氏。例えば、急いで食材を解凍するときに流水を使うが、勢いよく流してもゆっくり流しても時間は変わらない。しかし、人はどうしても勢いよく流してしまう。なぜ変わらないのかを理論的に解説する。食材の無駄を見つけるために、自らが厨房に入って包丁も握り、原価率の4%削減を実現した。お米を洗うのに必要な水の量と作業効率と美味しさを検証し無洗米に変えた。売上は前年比で200%の時もあれば、30%という月もある。しかし、経費の変動は少ない。経費を抑えることがどれだけ重要であるかを従業員に理解してもらうためにも動いた。しかし、どうしても電気代が高い。いくら細かく消しても下がらない。その解決策を悩んでいるときに、日本テクノと出会った。

理屈がわかれば対策は練ることができる

長谷川氏は、デマンド制や電力の計算方法を理解したことで取り組めると確信した。また、その対策に「見える化」は不可欠と感じ、2012年8月に「SMARTMETER ERIA」(以下ERIA)と「SMART CLOCK」を導入。「仕組みがわかったうえで、ひとつひとつ調べてみました」と長谷川氏。1階と2階に分かれている6つのホールごとの電力使用の違いや室外機と室内機の差、冷蔵庫など細かく確認した。改めて設備図面も見直した。「これまでも何度も見てきたはずなのに、設備の電力負荷が細かく記入されていることに初めて気が付きました。理屈がわかったら、必要なものが見えるようになりますね。今では、他の施設でもおおよその電力使用状況がわかるようになりました」と。断熱性の低い大きな窓と高い天井、ガラスに覆われたテラス風の団体ホール、そして火を使う料理が多い施設では、繁忙期の夏の対策が重要である。団体客の人数によりホールを使い分け、空調の無駄を減らす。3台の大型食洗機は稼働が重ならないように、2階大ホール用の食洗機を動かすときは無線で連絡し、記録もする。他の食洗機はその間稼働させないようにしている。

室温を上げない工夫

「空調の設定温度を下げているのに、室温はほぼ変わらない」その事実をもとに長谷川氏は「室温を上げない料理を考えていこう」と試行錯誤を繰り返した。「ひとり分がはっきりしているほうが団体のお客様はゆっくりと食事されます。ひとり分のジンギスカンはガスコンロではなく、固形燃料にしていましたが、もうひとつのしゃぶしゃぶは、『出汁が煮えないので無理』と当時判断した」。しかし、本当に試したのか?と同氏。入れる出汁の量と固形燃料のサイズの組み合わせを実験し、400ccから250ccまでを10ccごとに試し、310ccの出汁と40gの固形燃料が、最後までおいしく食べることができる組み合わせであることを実証した。これにより、室温上昇を抑え、材料単価も下げることができた。
小さな工夫もある。頻繁に開け閉めがあるガラス製の小さな冷蔵庫のまわりには緩衝材を張り巡らせ、保冷効果を上げている。中は見えにくくなるが「のぞき窓」を作って何が入っているのかは、扉を開閉しなくてもわかるようにしている。

アラームの鳴りすぎに注意

「電力使用量の目標値は予約状況から設定して毎月変更しています。あまり頻繁に鳴りすぎると感覚が麻痺していくので、少し余裕を持った目標設定にしています。また、30分単位での目標値も決めています。みなさんもやられていると思うと負けられない気持ちになります」と楽しくも徹底して「見える化」を活用している。季節によって35名~60名の変動がある従業員も、率先垂範する店長に引っ張られるように全員で省エネ活動に取り組んでいる。「現場を見ることが一番。省エネもまずはやってみようと私自身が空調の設定温度を調整して回りました。その結果を元に、次はみんなで取り組んでいけば良いのです」と長谷川氏。「目標は、日本テクノさんに最初に聞いた年間400万円削減の達成まで電気代を下げることです」今年150万円下げている。来年も契約電力での削減が実現するため、100万円下げることができる。残りの150万円は工夫次第。店内にある「大きな窓」を見つめて、「出来るはず」と締めくくった。

株式会社マツオ フラノーブル マツオさまの取り組みがテレビ番組「省エネの達人企業編」で取り上げられました

Company profile
代表者 代表取締役社長 松尾 建二
事業内容 加工食肉の製造・販売、飲食業、民芸品販売
従業員数 415名(全社)
所在地 北海道空知郡上富良野町西3
URL http://www.2989.net/

取材日:2013年4月

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