日本テクノのお客さまが実践するDR(デマンドレスポンス)事例を紹介。今回は塗料の製造会社です。

【塗料製造会社のDR事例】市場価格を確認して工程を動かす

再エネ由来の電力を積極的に利用する

主に塗料の製造・販売を行うB社。全国でいくつかの工場を稼働させるなかで、九州工場では少量多品種の塗料製造を行っている。「営業担当からJEPXの市場価格と連動する料金プランの説明を受けたとき、九州地方は再生可能エネルギー(以下再エネ)由来の電力が市場に多く出回る時間帯があり、これを有効活用することが再エネの活用促進につながると伺いました。これはよいと思い、2020年6月より日本テクノさんから電力を購入しています」(工場長談)。

時間帯を意識して工程を見直す

同工場の塗料製造ラインは2つあり、1つは備蓄の利く商品を定常的に製造するラインで、もう1つは前日および当日に注文を受け、急いで製造するラインだ。ラインに就くスタッフは計5名。製造計画を基に前日に卸電力市場の価格を確認し、工程を動かせる塗料があるかを確認する。「突発的な注文に対応するラインは稼働時間を動かせませんが、定常的なラインは比較的時間の調整が利きます。前日に市場価格を調べ、“なるべく何時から何時の間でつくって”と現場スタッフに指示します。最近はスタッフも理解が進み、前もって確認する習慣がつきました」。

市場価格が高い時間帯(電力が不足する時間帯)の稼働をなるべく避け、市場価格が低い時間帯(電力が多く存在する時間帯)に塗料づくりを行うことで、電気料金に変化が出た。取材時の2020年の6月から12月では、九州電力の産業用電気Aプランに比べ約35.8%の低減を実現した。

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