突発的に発生する落雷事故 電力復旧までのスピードが命

有限会社 山本製作所様の保安対応事例

夏は落雷事故が最も多発する季節だという。太陽熱によって地表が熱せられることで上昇した気流によって、「積乱雲」いわゆる「雷雲」が発生する。太陽熱が強いほど上昇気流も強くなり、 自ずと「雷雲」が出来やすくなるため、特に猛暑といわれる年では頻繁に発生する。 過去10年ほどの統計を見ると、平均して1年で50万回ほどの落雷が観測されているが、夏の雷に比べ冬の雷はエネルギーが大きいこともあり、年間を通した注意が必要となる。 山梨県で起こった事故の様子をもとにあらためて落雷と向き合ってみたい。

【時系列】
6月30日
14:30 停電事故発生
14:35 監視センターから担当技術者へ緊急応動要請
15:15 担当技術者が現場到着、点検開始
19:00 LBS交換工事開始
21:00 停電復旧作業完了

6月30日14時30分

機械部品を製造する山梨県の有限会社山本製作所に落雷があり、停電事故が発生した。 代表取締役社長の山本啓仁氏に当時の様子を振り返ってもらった。
「その日はお昼くらいからバケツをひっくり返したような豪雨が急に降り始めて、とにかく浸水が激しかった。はじめに『ズドン』という音を聞いたときには何が起こったのかわからないくらいの衝撃で、私を含む工場内で作業をしていた従業員全員が 飛び上がりました。その直後から停電状態になり、外のキュービクルを確認すると、白い煙が上っていました。かなり近くで雷が落ちたというのはすぐにわかったのですが、まさか自分のところとは思いませんでした」。

6月30日14時35分

監視センターから応動要請を受けた担当技術者はすぐに現場に急行した。
その日、担当技術者は悪天候であったため、緊急応動に備え自宅で待機していた。
準備の甲斐もあり事故発生から約40分後の15時15分に到着し、すぐに点検業務に入ることができた。
停電の原因は落雷によるLBS(高圧気中負荷開閉器)の破損。部品の取替えを行えば復電は比較的容易な症状であることがわかると、監視センターを通じて協力工事店へ対応を依頼した。 その後、東京電力がVCT(電力需給用計器用変成器)の交換工事を実施する間、工事店とLBSの到着を待った。

6月30日19時00分

協力工事店によりLBSが届けられる。部品の取替え作業後、担当技術者はGR(地絡継電器)の点検を済ませ、21時に復電作業が完了した。早々に翌日の臨時休業を決めた山本氏であったが、通常稼動に一定のメドがたったことで安堵の表情を浮かべた。 当時を振り返って山本氏は、
「いままで聞いたことがないような大きな落雷音に加えて、初めての停電。さらにキュービクルから煙が上っている状態でしたので、そのときは不安でいっぱいでした。技術者さんが停電後すぐに駆けつけてくれたことがうれしかった」。

【POINT】被害と保証について
工事費用7万3500円は日本テクノの電気保証サービスのよって免除された。
「落雷事故の影響で工場内のプレス機器、放電加工機、洗浄器、さらにPCやハードディスクが故障したため、キュービクルとは別に修理費用の方が多くかかってしまいました。しかし、従業員にケガが無かったことや、翌日から通常どおり電気が使えるようになったことが幸いでした。工場の外には20年前から避雷針を設置していたのですが、それが万能でないこともわかりましたし、今回は、停電事故のリスクと電気のありがたみを知るよい機会になりました」
と山本氏は笑顔で答えてくれた。

事業内容 機器部品製造
所在地 山梨県甲州市塩山熊野950
TEL 0553-33-4117

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