株式会社丸恵 原田商会様の保安対応事例
札幌で鉄材業を営む株式会社丸恵 原田商会。鉄材とは金属材料の1つで、土木材料として重要な役割をはたす。強さ・硬さ・粘りに優れ、価格も低廉であり、橋梁・鉄筋・鉄骨・矢板や、工事用機械・器具など広く利用されている。 鉄材の原料となるくず鉄を破砕して加工所などへ納品するのだが、その一連の作業にはもちろん電力が欠かせない。2011年11月24日、そんな同社で落雷事故による停電が起こった。 真夜中の事故発生から仮復旧、全面復旧に至るまでの様子を専務取締役の清水浩明氏に伺った。
【11月24日発生】
02:24 停電事故発生
03:00 監視センターから電気管理技術者・酒井満へ緊急応動要請
03:30 VT・CT・変圧器の損傷を確認
08:30 伏見工事店が現場に到着
12:30 停電仮復旧作業完了
※変圧器取寄せのため全面復旧は11月29日
11月24日 2時24分
「あの日は、夜1時くらいから雷がはげしく鳴り、近くで発生しているのがわかった。 普段は一度寝たら起きないのですが、そんな私でも目が覚めるほどの大きさでした」そう話してくれたのは専務取締役の清水浩明氏。 幸い、自宅は事務所の上にあり、何かあれば現場へすぐに駆けつけられる状況にあった。その後、ドンという音とともに停電が発生。すぐに復旧するだろうと思いながら、あたりの様子を見回すと外灯などがついている。 「おかしいとは思いましたが、雷が敷地内に落ちたこと、そして被害があるのはうちだけだとすぐに認識しました」
そのころ、日本テクノ監視センターでも異常を感知し、同社との状況確認がはじまった。
11月24日 3時00分
落雷事故を知らせる電話が日本テクノ監視センターから、電気管理技術者・酒井満のもとに入った。 車で30分という距離に自宅をかまえる酒井はすぐに駆けつけた。清水氏と同様、落雷の音で眠れない夜を過ごしており、気持ちの準備はできていた。
3時30分、酒井が現場に到着するとすぐにキュービクルの点検を開始。外見は一見すると損傷はみられなかったが、 扉を開けると落雷の衝撃の大きさが伝わってくるほど内部ははげしく破損していた。その現象は地面から落雷が伝ってくる誘導雷の可能性を示すものだった。
調査の結果、VT(計器用変圧器)・CT(交流器)・動力用変圧器の損傷を確認すると、酒井は日本テクノ監視センターへ協力工事店の手配を要請。現場では復旧工事に向けての部材の調達が進められた。
11月24日 8時30分
要請を受けた伏見工事店が現場に到着。取寄せたVT・CTの交換を行い、12時30分に仮復旧は完了した。
動力用の3相300kVAの変圧器が取引先の電材店に在庫がなく、取寄せに時間がかかったのは計算外だったが、電灯部分は使えるようになり、くず鉄を受け入れる際に使う計量器は稼動できるようになった。 これで受け入れ側として取引先との信頼は保たれた。
「受け入れは、不特定多数の業者が出入りするため時間や入荷量が予測できず、計量器こそがこの仕事の生命線。くず鉄を破砕する動力部分はある程度うちの都合で調整できるため、それに関しては不幸中の幸いでした」と清水氏。その後、11月29日に動力用変圧器が納品され、全面復旧が完了した。
【POINT】被害と保証について
「今回は仕事がやりにくかったことと出荷が少し滞ったこと以外は、火災や波及事故にもならず、許容の範囲内で早期に復旧ができて本当によかった。酒井さんはじめ、工事店さんには感謝しています。 また、工事にかかった費用170万8350円は後日、『日本テクノ電気設備保証サービス』によってすべて免除されました。 事故当初は復旧させることを第一優先で考え金額の部分は二の次でしたが、高額でしたので保証サービスが適用されると聞いて安心しました。 全面復旧までの間、仕事の不便はありましたが、出費がなかったことは」と笑顔でこたえてくれた。
会社名 | 株式会社丸恵 原田商会様 |
事業内容 | 鉄材業 |
所在地 | 北海道札幌市清田区里塚2条7丁目2-20 |
TEL | 011-881-5963 |