常木鍍金工業株式会社 川口工場さまの導入事例[Case 389]
見える化がもたらした省エネの成功ポイント
ピーク低減で省エネ意識が一気に高まる
当初の省エネ活動は電力ピークを告げる警報が鳴った際、全体放送で支障のない箇所で照明を切り、空調を一時的に止めることだった。それでも契約電力が243kWから192kWまで下がったため、野中貴弘常務は「もっと注力すればもっと成果が出る」と考えた。本格的にPDCAサイクルを運用する形で熱の再利用やめっき液の温度低下防止など、新たな省エネに取り組んだ。2017年時点の契約電力は132kW。また、2019年には浮いた費用で最新型空調を導入するなど、省エネの取り組みを深化させている。
・運用改善と設備改善の両輪で省エネを推進
・作業現場をアクリル板とビニールカーテンで仕切る
・運用改善と設備改善の両輪で省エネを推進
■ 導入効果
女性の活躍が省エネ活動の一助に
常木鍍金工業株式会社は、職場環境の改善に力を入れており、社員の提案を積極的に採用している。また、技術チームや製造現場に女性社員が多いのが特長で、その比率は4割に迫る。電気の消し忘れが減るなど、省エネ活動の推進にも好影響をもたらしているという。同社が「SMARTMETER ERIA」を導入したのは2010年9月。その後2016年11月に「SMART CLOCK」を導入した。省エネ活動のポイントは、電気の「見える化」を活用した運用改善と、それによって得られた成果を原資とした、省エネ設備改善の相乗効果にある。
取り組みにより得られた成果で設備改善
電力ピークを知らせる警報が鳴ると管理部から事業場全体に放送を流し、省エネ活動を促す。作業に支障のない場所の照明を切り、状況に応じて空調を一時的に止める。それが社員の習慣になった。これにより導入前に243kWあったデマンド値は、翌年一気に192kWまで下がった。「まず金額面で効果を得られたのが大きかった。より省エネが見込める設備投資が可能になりました」と野中氏はいう。
現場でのエネルギーの効率化を徹底
設備改善では、作業部分をアクリル板で囲い、要所をビニールカーテンで区切ったことが効果的だった。めっき液の温度低下を防ぐことで温めに要するエネルギーを削減でき、薬液の飛散を抑えることで、スクラバー(排ガス洗浄装置)の稼働率が大幅に下がった。特にスクラバーは、業務時間外も稼働していたが、その必要がなくなった。また、排水を極力減らし、その処理にかかるポンプ稼働を抑えたほか、冬場は生産工程で排出された廃熱を有効利用し、配管を通して暖房代わりに使用している。運用改善と設備改善の相乗効果により、サービス導入前に比べ、2016年9月の時点で132kWまで下がり、約4割の電力使用量削減につながった。
Comment コメント
常務取締役・製造本部長 野中貴宏
電気の「見える化」は、省エネ目的以外に、社員の意識向上に大きく貢献しています。当社は「働き方改革」を進めており、全員が「省エネ」という共通目標をもつことで、業務全体が効率化され、時間外労働時間の削減にも効果が現れました。
企業概要 | |
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事業内容 | 金属表面処理加工業、電気めっき業 |
従業員数 | 72名 |
所在地 | 埼玉県川口市 |
取材日:2017年5月
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