成功事例は全店で実行!情報共有がさらなる成果に

エイアンドダブリュ沖縄株式会社さまの導入事例 [Case 156]


見える化がもたらした省エネ成功のポイント

配線変更で電気を切り分け、ムダな使用をなくしていく
同店では電力使用量の目標設定値に対し、達成度に応じて警報が鳴るようにした。たとえば15時に50%の警報が鳴ったその翌日に13時で警報が鳴った場合は、電力ピークをオーバーする恐れがある。そのため、製氷機などの電源を使用に影響のない範囲で一時的に落とす。また、これまで一緒だったダウンライトとネオンの配線を分け、状況に応じて入り切りすることでムダな電気の使用をなくすなど、現状を分析し、改善策を実行することで省エネしてきた。各店舗の取り組み内容を共有することで、省エネ行動は一層進化した。
・時間帯に応じてフライヤーの稼動数を調整
・冷蔵冷凍庫は、深夜電源を切る
・食品の保管場所を集約

1963年の創業以来、沖縄県に25カ所のハンバーガーショップ「A&W」を展開するエイアンドダブリュ沖縄株式会社。A&Wは、日本で最初にできたファーストフードチェーン店。「エンダー」の愛称で沖縄の人々に愛され続けてきた。 同社では各店舗の省エネの取り組みを全店で共有することで大きな相乗成果をあげてきた。全社一丸の取り組みについて、本社総務部課長の松嶋潮氏、牧港店店長の與那嶺学氏、美里店店長の植村貴志氏に話を伺った。

■ 導入効果(美里店)■
契約電力 60kW(2010年)→59kW(2011年)
電気使用量 52万9017kWh(2008年1月〜2008年12月)
→45万7623kWh(2011年1月〜2011年12月)
7万1394kWh(13.4%)削減
導入時期 2010年7月
営業時間 24時間営業(年中無休)
牧港店の取り組み

エイアンドダブリュ沖縄株式会社が全店をあげて省エネに取り組み始めたのは、2008年のこと。エネルギー管理の責任者として全店舗をまとめる同社総務部課長の松嶋潮氏は「省エネを通して、沖縄の自然を守っていくことがお客様により満足いただける店舗づくりにもつながると考えています」と話す。
沖縄県内に25カ所ある店舗のなかから、まずは浦添市にある牧港店で「SMARTMETER(スマートメーター)ERIA」(以下、ERIA)を導入し、使用量の把握から始めた。
牧港店では夏になると、毎週土曜日に敷地内の広場を利用し、近隣の幼稚園児を集めて盆踊りが開かれている。ERIAの導入により、デマンドピークは盆踊りの後に多くの園児が来店する時間帯であることが判明。当初は食器洗浄機や製氷機の電源を一時的に切るなどの対策を試みたものの、混雑する時間帯にできることは限られている。そこで、盆踊りの間に調理を済ませて各機器の電源を切り、その後は販売に専念することでピークを抑えた。

前日の使用量を参考に

「省エネが成功するも失敗するも自分次第。ものすごい使命だと思いました」と話してくれたのは、最初にERIAを導入した牧港店店長の與那嶺学氏。同店では1日の電力使用量の目標値を決めて、50%、70%…と使用量が上がってくると、ERIAの警報が鳴るように設定した。「きのうは15時に50%の警報が鳴ったのに今日は13時だった、など前日と比較して使用量が超過すると、お客様の入り具合にもよりますが製氷機などを一時的に切ります」と與那嶺氏。
店内では、これまで一緒になっていたダウンライトとネオンの電源を別々に配線して、必要に応じたこまめな電源の入り切りを行い、空調は天気や気温によって窓際のみを稼働させることなどを決めた。さらに3台ある製氷機は夜間にまとめて稼働。これらの対策を「節約表」にまとめて、スタッフ同士で情報を共有した。

美里店の取り組み

牧港店での導入を皮きりとして各店舗で省エネが本格始動。沖縄市にある美里店でも店長の植村貴志氏を中心に取り組みが進んでいった。各店舗が月1回の店長会議や電話、パソコンの掲示版などで情報を交換。同店では、お客様の出入りに応じたこまめな空調の入り切り、フライドポテトなどの揚げ物を作るフライヤーの稼働台数を時間によって調整することで無駄な待機電力を抑えた。
あわせて倉庫の配置替えも省エネ対策の一環として行われた。これまで2階の倉庫にまとめて保管していた食材と紙コップ・スプーンなどの消耗品。食材の安全管理のため夏場は空調を24時間稼働させていたが、なかには温度管理の必要ないものも多く含まれていた。そこで食材を空調の効いている1階に移動し、2階には消耗品類のみを保管することで、1年を通して2階の空調を使用する必要が無くなった。

それぞれの現場でできること

同社では現在、本社を含めた13カ所でERIAを導入し、電気の「見える化」による省エネを進めている。松嶋氏は「ある店舗では『売上○%アップ』という目標とともに『電気代○%削減』という目標を掲げるようになりました。電力使用量が見えることで確実に省エネへの意識・興味が高くなってきたことを感じます」と話す。また、ERIAモニターの表情を見て、アルバイトの高校生が「店長が怒っている!」と報告してくれることもある。誰が見てもわかりやすいERIAモニターの表示が社内の協力体制を支えてくれる。
また松嶋氏は、ERIAの警報に夢中になるあまり必要以上に電力を落とそうとするのでは意味がないとも話す。他店と比べて目標値を下げ過ぎている店舗があれば、本部から他店の状況を伝えてアドバイスすることもある。さらに、「情報共有のよりよい仕組みを作っていくことが本社の役割。今後も各店舗が効率的な省エネ活動を行うことができる環境づくりを続けていきたい」と話してくれた。

企業概要
取材を受けていただいた方 A&W 牧港店 店長 與那嶺 学 氏
A&W 美里店 店長 植村 貴志 氏
本社総務部  課長 松嶋 潮 氏
事業内容 ハンバーガーショップ
従業員数 950名(アルバイト含む/2012/1/1現在)
所在地 沖縄県浦添市牧港1196番地
URL http://www.awok.co.jp/

取材日:2012年1月

省エネの達人『企業編』で放映されました!

テレビ番組 省エネの達人『企業編』で取り上げられました。クリックで約4分の動画を再生します。



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