社会福祉法人親孝会 特別養護老人ホーム太陽の郷さまの導入事例 [Case 438]
見える化がもたらした省エネ成功のポイント
省エネ活動の習慣化
デマンドがピークを記録するのは主に夏場だ。同施設では電気の「見える化」サービス導入から数年が経過したこともあり、スタッフ達は「大体どこの部屋の空調を何度上げれば契約電力を上げずに済むか」を熟知している。しかし、近年の温暖化傾向により状況も変化している。入居者に不便を強いるのは本末転倒だ。そのため、現在の同施設の契約電力は80kWから少々上がって82kWとなっている。
・LED照明の導入と間引き使用
・人がいない空間の消灯徹底
・関係各所の連係
■ 導入効果
導入時期2011年3月
コストを抑えることが重要
太陽の郷はデイサービス、軽費老人ホーム、特別養護老人ホーム、ショートステイの計4施設で高齢者を受入れている。「介護の現場は離職率の高さから人件費が高騰しており、コスト管理の一環で日本テクノのサービスを活用しています」(総務主任福田幸平氏)。サービス導入前のデマンド値は92kW。試行錯誤を重ねるなかで80kWまで落とせたが、2018年の猛暑では熱中症予防を優先し、82kWに上げた。長年施設で働く主任者クラスが中心となって省エネに取り組んでおり、デマンド値管理=コスト抑制の重要性は全員の共通認識となっている。
夏場の入浴時間がデマンドピーク
同施設のデマンドピークは入所者が入れ替えで入浴する夏場の10~14時。入浴介助は高齢者を起こし、服を脱がせ、入浴を介助し、体を拭いて服を着させて車椅子に乗せるという一連の作業を行う。重労働に取り組むスタッフに対し、なんとか更衣室の空調を止めずに済むよう、SMARTMETER ERIAを設置している事務所から内線電話で「デイサービスの部屋、全空調を2度上げてください」などスタッフの指令が飛ぶ。「事務所のスタッフはもう慣れていますから、大体どこの部屋で何度空調を上げればデマンド値をキープできるか把握しています」。
勉強会で細かい運用ノウハウを知る
5年前には照明をLEDに入れ替え、さらに間引きも行った。人のいないスペースでは消灯を徹底しており、ムダな電力の使用は抑えられている。
「以前はこまめに空調をオン・オフしていましたが、これは再稼動するときに電力を余分に消費するので温度調整にとどめたほうがよい、と日本テクノの営業担当者から勉強会でアドバイスをいただき、実践しています。私でなく日本テクノさんに言ってもらうことで説得力が上がりますから、勉強会は重宝しています」。
スタッフの日々の行動のなかに省エネ意識は着実に浸透している。
総務主任 福田 幸平氏
以前はデマンド値を73kWに設定して消せる機器がないか探すこともしていましたが、頻繁に警報が鳴り、省エネ意識が薄れてしまうため、やめました。九州の電気料金は一貫して上昇傾向にあり、何もしなければ固定費は増える一方です。今後も自分たちでできる省エネを続けます。
企業概要 | |
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事業内容 | 介護福祉施設 |
従業員数 | 80名(2018年10月現在) |
所在地 | 福岡県飯塚市 |
取材日:2018年10月
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