日次メールを情報共有に活用しています

株式会社シンコー パーラーニューギン[Case349]

 名古屋市中川区にある「パーラーニューギン」は、パチンコメーカー・ニューギングループの直営店。新台の導入や企業としての情報発信など、アンテナショップとしての役割を担う同店では、省エネ活動もグループ内に先駆けて推進してきた。SMARTMETER ERIA(以下、ERIA)とSMART CLOCKの導入により進んだその取り組みを、課長代理の菅沼英勝氏に伺った。


見える化がもたらした省エネの成功ポイント

エアコンと照明でダブル効果!快適な環境と省エネの実現
お客さまの過ごしやすい環境を損ねることなく省エネを実現するために、空調を効率的に稼働している。しかし人の手でする省エネには限界があると考えた同店は研磨機などの設備改善を決断。さらにホールの照明をLEDに切り替えることで放出する熱量が格段に少なくなり、エアコンの設定温度を無理なく高く設定できるようになった。効率的なエアコンの使用と設備の導入、スタッフ間の情報共有で省エネに成功した。
・省エネ活動のスタートはデマンド管理から
・設備改善が新たな気付きにつながる
・日次メールを情報共有に活用
・閉店後の取り組みにも注力

■ 導入効果

導入時期2014年7月(取材時期 2016年1月)
契約電力396kW(2012年)⇒ 299kW(2015年)
24.4%DOWN!
使用電力量1,533,069kWh(2012年7月~2013年6月)
⇒ 914,788kWh(2014年7月~2015年6月)
40.3%DOWN!

省エネ活動のスタートはデマンド管理から

 パーラーニューギンがERIAとSMART CLOCKを導入したのは、2012年4月。当初はデマンド管理を中心に取り組んできた。電力ピークとなる夏・冬の数値に合わせて目標を設定。事務所でERIAのアラームがなると、菅沼氏はすぐに現場のスタッフと連絡を取り、店内3ヵ所に設置した温度計を確認しつつ、お客さまが集中しているエリアなどを避けて、温度調整が可能な場所を判断していった。また「デマンドの確定する30分単位を意識して、最後の10分間で空調を切ります」。その後も現場スタッフがお客さまの様子を見て、暑そう(寒そう)にしている方はいないかを確認する。こうした取り組みで、同店では6kWのデマンド値低減に成功した。しかし一方で菅沼氏は、「お客さまの快適性を優先しながら行うデマンド管理には限界がある」と感じていた。

設備改善が新たな気付きにつながる

デマンド管理に続いて着目したのは、パチンコ玉を循環させる研磨機の入れ替え。導入コストはかかるものの、これを交換することで、パチンコ台の清掃やメンテナンスにかかる時間が大幅に短縮される。開店前の作業時間が30分~1時間短くなり、その時間帯の空調や照明も必要なくなった。
 さらなる設備改善はLED。これまで店内照明の7割ほどは水銀灯を使用していたが、LEDにすることで発熱量も減り、夏場の空調負荷軽減につながった。「LEDに入れ替えてから、3割ほど間引いて使用していますが明るさは変わっていません」。また店舗や外灯の明るさを見直したことで、入り口付近や駐車場・駐輪場など、これまで照明が不足していた部分に気が付き、照明を追加。お客さまにより安心して利用いただける環境へと改善した。

駐車場は広告看板と照明を追加することでより明るい印象になった

日次メールを情報共有に活用

 省エネ活動を行ううえで最も力を入れているのは、スタッフ全員が省エネに自発的に取り組む環境づくり。菅沼氏はグループの他の店舗と共同で経費削減を推進するチームをつくり、省エネの意識を社内に浸透させていった。取り組みのひとつは、日本テクノから送られてくる日次メールをアレンジした情報共有。前日の数値やグラフに「深夜24時以降のさらなる低減を心がけ、月間目標達成を目指し頑張っていきましょう!!」などのコメントを追記して配信する。月の初めには目標を伝え、月末にはその結果を報告。1年ほど続けていくなかでコメントの内容も変化が表れ、「当初は改善点や協力を呼びかける内容がほとんどでしたが、最近では“今日は完璧でした”“協力ありがとうございます”などのコメントに変わっていきました」と菅沼氏は成果を話す。このほか、スタッフに協力を呼びかけるため照明スイッチなどに貼るポップは、やさしい口調で書くなど、全員に楽しんで省エネに取り組んでもらうための工夫を施した。

情報共有メール 例1
暖かい1日でしたが、営業時間外のパーフェクト管理により、最小限の数値となっております。ご協力いつも有難うございます。

情報共有メール 例2
一年の中で、最も暑い1ヵ月がスタートしました!! いかに今月の電力をコントロールできるか(ピークデマンドを抑えられるか)が、向こう一年間の電気料金を大きく左右します。 ※ピークデマンドを現状のまま(310KW)維持できれば、10月以降、基本料金だけで、月間約8万強×12か月=年間約100万の低減に繋がります。節電意識の徹底が最も求められる1ヵ月となりますが、皆様、引き続きご協力の程、どうぞ宜しくお願い致します。

閉店後の取り組みにも注力

 

営業時間外はさらなる省エネの推進タイムとなった。同社では閉店後、ホールで行う清掃やメンテナンスをスタッフ全員で終わらせてから、事務所に戻り事務処理の締め作業などを行う。菅原氏は「効率重視ではないので、もしかしたら多少の時間はかかっているかもしれません」というものの、こうすることでホールの空調・照明の使用時間が30分ほど短縮された。またスタッフ同士の協力体制も高まったという。  デマンド管理から始まった省エネ活動だが、現在ではERIA導入当初と比べ、デマンド値97kW低減、使用量も40.3%の低減に成功した。菅沼氏は今後も日々の改善を繰り返しながら、新しい取り組みを模索していく考えだ。また、店舗での取り組みをグループ全体に展開して、パチンコメーカーとして製造・販売の現場にも省エネを広めていく。


お話を伺ったのは

菅沼英勝氏
企業概要
事業内容               パチンコ店
設立                 1996年
従業員数               20名
所在地                   愛知県名古屋市中川区法華1-153
TEL                  052-351-2663
URL                 http://p-newgin.jp/store/parlor-newgin/

省エネの達人『企業編』でも放映されました!

テレビ番組 省エネの達人『企業編』で取り上げられました。
クリックで動画を再生します。(4分00秒)



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