「今月のことば」…最近話題の環境・エコ・省エネに関することばを解説します。

今月のことば:「ヒートアイランド現象」とは?

ヒートアイランド現象とは、都市部の気温がその周辺地域に比べて高くなる現象です。気温の分布図を描くと、高温域が都市部を中心に島のような形状に分布することから、「熱の島=ヒートアイランド」と呼ばれるようになりました。

ヒートアイランド現象が起こる要因は主に3つあります。1つ目は地表面が、建物や舗装によりコンクリートやアスファルトで覆われていることが挙げられます。これらの場所は植物による水蒸気の蒸散効果がないため、田園や森林などに比べ、太陽の熱を受け、温度が高くなってしまうのです。

2つ目は建物などが密集していることです。これにより風の通り道がふさがれ、熱が溜まりやすくなります。

3つ目は人工排熱です。人工排熱とは空調の室外機や自動車、工場などから出される熱のことです。ただし、この人工排熱は前の2つの原因より比較的、影響は少ないことがわかっています。

それではヒートアイランド現象と最近話題の「地球温暖化」は何が違うのでしょうか。気温が上昇するという現象は同じですが、ヒートアイランド現象は都市部に限られる点が地球温暖化とは大きく違います。また、地球温暖化は主にCO2などの温室効果ガスによるものですが、ヒートアイランド現象は地表面被覆の人工化(コンクリート・アスファルト化)や建物の密集化、人工排熱などが主な原因です。

ヒートアイランド現象を少しでも抑えるにはどうしたらよいでしょうか。簡単にできる対策としては、ガーデニングやグリーンカーテンなどで緑を増やす、朝夕の比較的涼しい時間に打ち水で路面やベランダを冷やす、無理のない省エネで人工排熱を減らすなどの方法があります。一人ひとりにとっては小さな取り組みでも、みんなで行えばきっと大きな力になっていきます。

関連記事

  1. 今月のことば:グリーン・リカバリー

  2. 食品ロス削減と地球温暖化の関係~日本の現状と対策~

  3. 安心・安全の供給体制を実現する電気料金の仕組み――燃料費調整制度とは

  4. 2050年 カーボンニュートラルとは(後編)~企業の取り組み~

  5. 今月のことば:サンゴの白化現象とは?

  6. 今月のことば:「エネルギー基本計画」とは

  1. 空調・照明の「要」「不要」を見極める!

    2024.04.04

  2. 「電気は使って当たり前」という意識が変わった

    2024.03.21

  3. 省エネ意識の裾野を拡大!めざすは100人体制の省エネ

    2024.03.07

  4. 「見える化」が注意を喚起、課題は店舗の省エネ

    2024.02.22

  5. 「見える化」を活用し、業務品質を高めていく

    2024.02.08

  6. 凡事徹底の教育方針が「見える化」を後押し

    2024.01.25

  7. オフィスの省エネは空調で工夫、CO2削減を進めたい

    2024.01.18

  8. 空調の稼働抑制を実現した現場の工夫

    2024.01.11

  9. 店内改装で空調台数増加、電気の使い方をさらに意識する

    2023.12.21

  10. 未来を担う子どもたちとともに省エネを進めたい

    2023.12.07

  1. 【小売業の省エネ】「見える化」でよりコストへの意識が深化する

    2020.04.09

  2. 【製造業の省エネ】100年企業から200年企業へ、日々挑戦

    2020.11.26

  3. ロビーに設置したSMART CLOCKがお客様へも省エネを呼びかける

    【ホテルの省エネ】これが「見える化」効果。 お客さままで省エネ…

    2017.06.25

  4. 【医師会の省エネ】省エネで地域医療と福祉・健康に貢献!

    2020.12.10

  5. 幼児期から省エネに親しみ、SMART CLOCKに込めた環境への思い

    2012.11.01

  6. SMART CLOCKは麺の包装工程室に設置

    【製造業の省エネ】契約電力を前年比26.8%改善、カギはピーク分散…

    2021.09.09

  7. 「SMART CLOCK」効果で省エネは新たなステージへ!

    2022.04.07

  8. デマンドピークの原因は照明 「見える化」で正しい対策が可能に

    2013.05.01

  9. オフィスの省エネで48コマ設定を使いこなす!

    2022.10.06

  10. シフト調整を行い工場の稼働を停止

    2022.09.08