新羽金属工業 株式会社さまの導入事例 [Case 368]
見える化がもたらした省エネの成功ポイント
ピークが重ならないように工夫
工場内には電気炉が7台。最も稼働率が高い時間は、夕方から翌朝にかけて。処理する部品の大きさや工程によって稼働時間が異なるが、以前は全て同時に稼働させ、電力ピークを迎えていた。工場長は電気炉の稼働開始時間をタイマーで調整。それぞれの消費電力が最も高くなるタイミングをずらして稼働させた結果、4分の1という大幅な契約電力低減につながった。
・処理時間に応じて、炉の立ち上げをずらす
・それぞれのヒーターのピークを分散化
・隙間が出ないよう部品を並べて炉に入れる
■ 導入効果
深夜に発生するデマンドピーク
新横浜テクノヒルズ協同組合は「地球に優しく地域に根ざした経営」、「組合間の交流による技術革新」を目的に7つの企業が集結する。その1社である新羽金属工業株式会社は、自動車部品などの金属熱処理を行っており、同組合のSMARTMETER ERIA導入にあわせて、2010年より省エネ活動を開始した。部品は材質ごとに処理時間や温度が異なり、工場内にある7台の電気炉を駆使して、日中と夜にそれぞれ焼入れ、焼戻しといった作業を行う。デマンドピークは処理温度の高い部品を中心に炉がタイマー稼動する時間帯で、それは従業員が退社した後のことだった。
徐々に進める設備改善
2012年より照明と空調設備の入替えに着手した。当時はLED照明の価格が高く、試算した結果まずはインバーター式の蛍光灯を導入。一方、工場ではコンプレッサーの使い方を見直した。これまで大型コンプレッサーを使用しており、実際に必要とする量に対してスペックオーバーだったため、適切な容量に変更。また、機械へ連続的に空気を送り出している状態から空気を貯蔵するタンクを増設したことで、必要に応じた効率のよいエア供給ができるようになった。2015年からはLED照明を導入し、省エネはもちろんのこと照度の高さも実感できた。第一工場2階は接客や休憩スペースとして利用しているが、各部屋は使用する箇所のみ点灯できるよう電源回路を組み替え、照明の間引きも行うことで、より無駄の少ない設計に改善させた。
手作りの省エネ手法
第二工場2階には、倉庫と仕分けスペースがある。夏場は窓からの日差しによって室内に熱がこもるため、以前はブラインドを下ろし空調をつけっ放しにしていた。そんななか暑さを和らげる一助となったのがアルミ断熱材(アストロフォイル)だ。日差しの強い窓枠や入り口付近に断熱材を貼り付けると、夏は侵入熱量を大幅にカット、冬は放出熱量を軽減させる効果が得られ、電気使用量の削減に成功した。工場2階の窓には使用頻度の低い倉庫側に通常のロールカーテン、使用頻度の高い仕分けスペース側は遮熱用ロールカーテンとアルミ断熱材を二重に設置するなど独自の工夫も施した。さらに両スペースをビニールカーテンで仕切ることで、倉庫側からの熱の侵入を防いでいる。
取締役工場長 井上 学氏
炉の稼動調整が甘く、電気料金の上昇を招いた苦い経験があります。早く処理しようと炉を停止しなかったことが原因でした。これをきっかけに、より細かく炉の稼働時間を調整し、ピークの分散を図るようにしています。
企業概要 | |
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事業内容 | 金属熱処理 |
従業員数 | 16名 |
所在地 | 神奈川県横浜市 |
取材日:2016年7月
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