有限会社三恵熱錬[Case 480]

見える化がもたらした省エネの成功ポイント
契約電力は16.4%の低減
電気を「見える」化し、契約電力を下げようと考え導入。これまで歯止めなく使っていた電気について一定の使用ルールを設けた。それは製品の品質に支障のない範囲で炉の温度を下げる、それが不可能なときはコンプレッサーを一時的に切る、という取り組み。これにより契約電力は順調に低減した。
・「見える化」でデマンドの設定値を超えないよう管理
・警報発生時に行う対策を決め、全員で共有
・さらなる使用電力量の低減に注力
■ 導入効果
導入時期 | 2021年11月(取材時期 2022年10月) |
契約電力 | 432kW(2020年)⇒361kW(2022年) 16.4%DOWN! |
使用電力量 | 1,643,845kWh(2020年12月~2021年10月) ⇒ 1,564,283kWh(2021年12月~2022年10月) 4.8%DOWN! |
利益率向上のため電気を「見える化」
三恵熱錬は金属部品の熱処理を行う会社で、歪みの少ない高精度な熱処理を実現する「オーステンパー熱処理」に特化した国内でも珍しい熱処理メーカーである。「熱源はほぼ電気で、デマンド監視装置は入れていたものの特に対策をしておらず、契約電力は上昇する一方でした。光熱費を抑え、利益率を上げることが当社の課題。電気を“見える化”すれば契約電力を下げられると思い、導入を決めました」(代表取締役 九埜嘉伸氏)。SMARTMETER ERIAは2階事務所に設置し、現場はSMART CLOCKが省エネ行動を促す。

契約電力は順調に低減している
社内には3台の炉があり、SMART CLOCKが赤く光って警報を発したら、炉の温度が調整できる場合は若干下げ、それが不可能な場合は冷却装置の温度を短時間調整したり、コンプレッサーを一時的に切ったりして対応する。「製品加工時の温度変更回数が少なくなるよう、加工順を入れ替えるなどして、電気を効率的に使うよう意識しています。導入当初は業務の流れと時計のLED表示の変化をよく見て、対処方法を探り、スタッフと共有しました。最近は390kW以上になると時計が赤く光るようにしていますが、月々の契約電力は350kW近辺に抑えられています」。

偶然の発見が使用電力量低減の契機に
2022年の正月休みに冷却液の温度を通常より下げた状態で維持したところ、温度上昇に要する電力は通常より要したが、温度維持に必要な電力が減ったため、トータルで使用電力量が低減したという。契約電力量が順調に低減できている今、次に狙うのは使用電力量の低減だ。「電気で加工するため電気料金の高騰は死活問題です。加工費の値上げも限界があり、たとえば自動運転の比率増などで生産性を向上したうえで週休3日にして稼働時間を減らすなど、さまざまな対策を考えています」。コスト意識のシビアな製造業にあって、同社の挑戦は続く。

Comment コメント

代表取締役 九埜嘉伸氏
「導入当初、夜に大きな警報がSMART CLOCKから発せられ、夜勤のスタッフが非常に驚いたことがありました。ただ、そのときも対応手順を決めてあったため、契約電力は上がらずに済みました。今では時計の表示が黄色になるとスタッフが対応を始めており、警報はほぼ出なくなりました」
企業概要
事業内容 | 金属加工業 |
従業員数 | 14名 |
所在地 | 大阪府柏原市 |
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