社員の省エネ意識の高まりを実感
目標に向かう環境づくりがポイント

カネパッケージ株式会社[Case227]

 梱包材や緩衝材の研究・開発を中心とした梱包事業で業績を伸ばし、世界6ヵ国に工場をかまえるカネパッケージ株式会社。商品の特性に適したパッケージを提供しながら、環境にやさしい省資源設計の開発にも取り組んでいる。一方、フィリピンでのマングローブ植林事業にも力を入れており、2013年4月には累計300万本を突破。海外でのオフセット活動が評価され、第2回 TAMA環境ものづくり大賞の「グローバル環境賞」を受賞した。SMARTMETER ERIA(以下、ERIA)とSMART CLOCKの導入をきっかけに、本格的に取り組み始めた省エネ活動について常務取締役 高村賢二氏に話を伺った。


見える化がもたらした省エネの成功ポイント

“見える化”データの活用と社員の意識向上が省エネのカギ
 梱包材や緩衝材の研究・開発を手がける同社がSMARTMETER ERIAとSMART CLOCKを導入後まず取り組んだのは、待機電力の低減と照明の入れ替え。1階の作業場にある遊休機は電源をブレーカーから落とし、2階のオフィスでは60本の蛍光灯をLED照明に切り替えた。さらに電力の使用状況を社内で共有することで社員のモチベーションを高めた。空調稼働の効率化にも取り組み、設備改善と運用改善を含めた省エネ活動の結果、契約電力17kW、使用電力量17.1%の低減に成功した。
・待機電力低減と照明のLED化
・全社員一丸となって
・温湿度ロガーで効率の良い空調稼働

・省エネ意識の浸透

■ 導入効果

導入時期2012年6月(取材時期 2013年2月)
契約電力62kW(2012年)⇒ 45kW(2013年)
27.4%DOWN!
使用電力量89,733kWh(2011年7月~2012年4月)
⇒74,312kWh(2012年7月~2013年4月)
17.1%DOWN!

待機電力低減と照明のLED化

 「ERIAとSMART CLOCKとの出会いは、取引先の方に勧められたことがきっかけです。もともと事業の一環としてマングローブの植林を行っており、環境保全に対する意識は高かったのですが、電気の“見える化”によって、社内で取り組む省エネ活動の土台ができました」。そう話すのは、活動の旗振り役を務める常務取締役の高村賢二氏。2012年6月のERIA導入後、まずとりかかったのは、待機電力の低減と照明の入れ替え。1階の作業場では、遊休機の電源をブレーカーから落とすことで待機電力を低減。2階のオフィスフロアでは60本すべての蛍光灯をLED照明へ入れ替えた。これだけで照明の消費電力は1本あたり40Wから20Wと半分になるが、さらに窓側のものにはひも式スイッチをつけ、天候に応じて点灯を調整できるようにした。また、敷地内にある500Wの外灯もLED化。ここにも手動スイッチを取り付け、季節や日照時間にあわせて臨機応変に点灯できるようにした。

60本の蛍光灯をLED照明へ入れ替え

全社員一丸となって

 省エネ活動を社内全体に浸透させるにはどうしたらよいか、そう考えた高村氏は、省エネ活動の社内PRのため、「省エネ呼びかけパネル」を作成。月次ごとに目標と達成度を掲示し、誰もがひと目で進捗状況がわかるようにした。「ERIAとSMART CLOCKの導入により、使用状況がタイムリーに確認できるようになっただけでなく、目標に対しての進捗率が把握できます。それを毎日朝礼で発表し、掲示することで社内全体のモチベーションを高めていきました」。
 デマンドピークが近づくと、ERIAの表情の変化とともにSMART CLOCKの色が変わり、さらに警報が鳴る。2012年12月に、1階の工場の空調2台を省エネタイプのものへ入れ替えたことで、警報はオフィスの空調を一時的に止めるだけで収まるようになった。デマンドピークの原因となっていた空調の設備改善と運用改善で、デマンドは62kWから45kWまで低減することができた。

電力の使用状況がひと目で分かる「省エネ呼びかけパネル」

温湿度ロガーで効率のよい空調稼働

 より効率のよい空調稼働を実現するために、「温湿度ロガー」という、温度と湿度の計測・記録ができる装置を導入。同社が導入したタイプは、温度と湿度それぞれのデータからPC上でグラフ表示をすることも可能だ。「この装置でオフィスフロア内の状況をくまなく調査した結果、空調の効きやすいところや、空気の滞留するところがわかりました。温度設定や吹き出し口の角度の調整、扇風機の活用によって、温度と湿度を均一に近づけることができました。いずれはこのデータをもとに、パーテーションを利用したレイアウト変更も考えています」と高村氏。温度と湿度の新たな“見える化”を活用することで、さらなる空調稼働の効率化をめざす。

「温湿度ロガー」が温度と湿度の新たな“見える化”を実現

省エネ意識の浸透

 省エネ活動を始めて以降、社員の省エネ意識の高まりを表すエピソードがあるという。「来客の際のお茶出しなどで、さまざまなフロアを行き来する社員がいるのですが、その合間に少し足を伸ばし、照明や空調の消し忘れがないか確認して消して回ってくれていました。その行動が自発的に行われているのをみて、あらためて意識の向上を実感しました」。
 設備改善と運用改善を含めた省エネ活動の結果、契約電力17kW削減、使用電力量17.1%の低減に成功。同社では省エネ活動で削減できたお金は、社内懇親会費用の一部に充てられる。「社員全員がひとつの目標に向かって、活動を続けられる体制をつくることも私の役目です」と語る高村氏。「見える化」によるさまざまなデータの活用と社員のモチベーションを高める工夫で、カネパッケージ株式会社はこれからも省エネ実績を積み重ねていく。

社内の移動中も照明・空調消し忘れチェック!

お話を伺ったのは

常務取締役 高村賢二氏


企業概要
事業内容 梱包材製造
従業員数 500名(関連会社含む)
所在地 埼玉県入間市

省エネの達人『企業編』でも放映されました!

テレビ番組 省エネの達人『企業編』で取り上げられました。
クリックで動画再生します。(4分00秒)



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