「ちりつも」がモットー、工夫が光る省エネ活動

株式会社食物語 焼肉きんぐ 鹿児島谷山店 [Case490]


見える化がもたらした省エネの成功ポイント

ちりつも」の精神で省エネ!工夫が生み出す新たな手法
 同社の省エネのモットーは”ちりつも”(ちりもつもれば山となる)。これまで電気料金の高騰に備えてさまざまな取り組みを実施してきた。人のいない部屋の照明や空調を消し、節水にも努めた。省エネ対策の中心となる空調については、フィルターは1ヵ月で清掃が終わるようにローテーションを組む、休憩室ではスタッフ同士の休憩間隔が空くときはあえて少し高めの温度で稼働させ、急激に部屋を冷やして使用電力量が増えるのを防ぐなどの工夫をした。ほかにもロースターの換気機能が原因で空調の稼働効率が落ちたときは食器を運ぶお盆をロースターに被せることで空調効率を上げた。
・「自宅と同様に電気を使おう」と呼びかけ
・空調を中心に小さな改善を積み重ねる
・冷気が逃げぬようお盆をロースターに被せる

■ 導入効果

導入時期2015年6月(取材時期 2023年4月)
契約電力94kW(2015年)⇒ 87kW(2022年)
7.4%DOWN!
使用電力量252,000kWh(2014年7月~2015年6月)
⇒192,172kWh(2021年7月~2022年6月)
23.7%DOWN!

省エネに生きる「ちりつも」の精神

「当社の省エネのモットーは“ちりもつもれば山となる=ちりつも”です。2023年は電気料金が上がり、月額にして6万円前後のアップが予想されます。そのため、ちりつもの精神で省エネに取り組んでいます」。こう話すのは株式会社食物語エリアマネージャーの田原吉智氏。2022年12月に鹿児島谷山店へ赴任して以来、スタッフに「自宅で人のいない部屋の照明・空調を消すし、水が流しっぱなしになっていたら止めると思います。店でも同じにしましょう」と話し、省エネに取り組んでいる。

空調の稼働は1台おきに。冬場は送風で対応。

点けっぱなしの方が電気を使わないケースもある

 同店の省エネ対策は空調が中心だ。1台おきに稼働し、冬場でも状況によっては暖房を使わず送風で対応している。また、フィルターは週に一度、1台分を清掃し、1ヵ月ですべてのフィルター清掃が終わるようローテーションしている。スタッフの休憩室の冷房は誰もいなければ基本的に消すが、スタッフ同士の休憩間隔が空くときはあえて少し高めの温度で稼働させておく。急激に部屋を冷やして使用電力量が増えるのを防ぐためだ。「電気の”見える化”で、お客さまが減ったのに急激に使用量が増えたため、原因を探っていて休憩室の冷房の使い方に気付きました。いまや“見える化は”私たちの業務になくてはならない存在です」。

スタッフの休憩室の空調を工夫

工夫が生んだ新たな省エネ手法

 同店ではお客さまが席に着くと、そのブロックすべてのロースターの換気機能がオンになってしまう。配線の関係で個別に稼働を止められないのだ。特に夏場はお客さま不在のロースターが冷たい空気を吸い込んでしまうため、空調の稼働効率が落ちてしまうのが悩みの種だった。そこで試しに食器を運ぶお盆をロースターに被せたところ、空調効率が劇的に上がったという。現場の何とかしたいという思いが省エネにつながった。こうした工夫で生まれた「ちりつも」の数々を同社では社内で共有し、省エネを図っている。

ロースターにお盆を被せるのも現場で発見した省エネ手法

Comment コメント

エリアマネージャー 田原 吉智氏

毎月15日ごろにSMARTMETER ERIAで電気料金を確認します。これを2倍すると大体ひと月の電気料金がわかるので、予算との兼ね合いで月後半の省エネへの力の入れ具合を決めています。これからも電気の「見える化」を活用し、「ちりつも」を実現していきます。

企業概要
事業内容 飲食店の運営
従業員数 15名(2023年3月現在、全体では約900名)
所在地 鹿児島県鹿児島市

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