同社の化粧品生産工程は製造、充てん、包装の3ラインに分かれる。比較的電力を多く使うのは材料を攪拌する釜、大型の充てん機、そして熱でフィルムをシュリンクさせる包装機だとわかった。まずはこれらの工程が重ならないよう業務手順を修正し、さらに機械の立ち上げ時間をずらすことで、契約電力14.7％の低減を実現した。空調はタイマーを活用し、早めかつ弱めの稼働を続けることを意識。さらに品質に影響がないことを確認したうえで夏場の設定温度を24℃から28℃に変更。使用電力量も15.3％の低減に成功している。

　同社では業務効率改善のため、業務手順にPDCAサイクルを組み込んでいる。電気の使い方についてもPDCAサイクルを回すことで改善を実現した。さらに繁忙期対策として役立ったのが1日の使用電力量の目標を設定し、50％および80％に達した際に知らせるERIAの通知機能だった。目標に対し50％および80％となった際は場内に内線で伝えている。予定より早かった場合は翌日に回す工程を決めることで、現場における無理のない省エネにつながっている。

当社はこれまで生産量および売上を年々伸ばしてきたものの、新型コロナウイルス感染症でマスク生活が定着した結果、思ったほどに化粧品が売れていない状況にあります。今後はアフターコロナを見据えて商品ラインナップを充実させる一方で、電気の使い方を細かく精査し、当面は契約電力65kWをめざします。