各部署の“節電大臣” が省エネ活動を啓発

社会医療法人健生会 土庫病院[Case244]

 土庫病院は1955年の開業から50年以上にわたり、地域の人々の生活を支える医療施設。一般外来診療のほか、消化器病センター、大腸肛門病センターを併設し、周辺には系列の介護老人保健施設や、訪問看護ステーション、デイケア施設なども揃う。同院では2012年3月にSMARTMETER ERIA(以下、ERIA)とSMART CLOCKを導入し、省エネ活動に取り組んできた。総務人事課の山田敦夫氏と大浦清史氏にその活動について伺った。


見える化がもたらした省エネ成功のポイント

省エネキーワードは「コントロールシール」
 同病院は20科目の診療を行い、地域の医療連携の中核拠点を担っている。省エネキーワードは「コントロールシール」。常に消している照明「節電灯」には赤色のシールを貼り、夜間のみ点ける照明「保安灯」には、緑色のシールを貼っている。また、照明のスイッチにもこれらの名称を明記している。毎日消灯チェックを継続することで、スタッフの省エネ意識が向上し、徐々にその活動が浸透している。
・SMART CLOCKの使い方を放映
・グラフを持って院内を巡回
・各部署に“節電大臣”
・「節電中」シールで活動を周知

■ 導入効果

導入時期2012年3月(取材時期  2013年11月)
契約電力347kW(2013年)⇒330kW(2014年)
4.8% DOWN!
使用電力量154万6,386kWh(2011年1月~ 2011年11月)
⇒144万5,438kWh(2013年1月~ 2013年11月)
6.5% DOWN!

SMART CLOCKの使い方を放映

土庫病院は2004年に施設の大規模な建て替えを行った。施設管理を担当する山田敦夫氏はこう話す。「世の中に省エネという言葉が浸透する前のこと、当時としては珍しかったLED照明を一部に導入し、トイレの照明は人感センサー。空調も高効率なガス空調にするなど、いろいろな面で省エネを意識したつくりが施されました」。しかし、東日本大震災後の不安定な電力需給の状況が続くなか、同院ではさらに一歩進んだ省エネ活動の必要性を感じていた。
 日本テクノから電気の「見える化」の提案を受けたのは、山田氏がここからどうやって取り組んでいこうかと考えていたとき。「ゼロから始める省エネとは違い、1%の低減にも重みがあります」と当時を振り返る。導入後は、病院全体に省エネ活動を浸透させるため、受付にSMART CLOCKを設置し、ロビーにあるテレビモニターには、SMART CLOCKの紹介を流して、スタッフだけでなく来院した患者さんにも周知していった。

グラフを持って院内を巡回

 山田氏とともに施設管理を担当するのは大浦清史氏。午前10時の院内見回りを日課とし、人がいない場所の消灯や、空調の温度管理に努めた。「夏場の空調は28度と決め、それより低くなっているところは、設定を変えて回りました。また、ERIAの警報が鳴った時にも同様に院内をまわり、ムダな電気を消します。2人が通ったあとは“暑くなって、暗くなる”と言われるほどでした」と大浦氏は笑う。
 しかしこうした取り組みも、デマンド対策としては有効だが、これだけで意識改善につなげることは難しい。そこで、同院では日本テクノの担当者による勉強会を実施し、部署ごとの小規模な勉強会も重ねた。ときには、デマンド閲覧サービスの前日のグラフをプラカードにして館内を巡回。夜間診療の翌日に、夜間の電気使用量が伸びているグラフを見てもらうことで、現場スタッフの理解も早いという。「当初は問答無用に消して回っていたので嫌な顔もされましたが、勉強会や周知を繰り返すことで協力を得られるようになりました」。

各部署に“節電大臣”

 省エネ活動の周知が進むにつれ、部署ごとに個別の工夫が見られるようになった。医事課では、天気や温度に応じてブラインドを開け閉めして、空調だけに頼らない温度管理を心がけている。また夜間診療のない日には診療室を早めに消灯して、2カ所あるトイレも夜間は片方だけを使用する。
 病棟のナースステーションでは、山田氏が作成した照明と空調の注意書きに、現場のスタッフからの提案が追加された。また入院患者の個室も昼間は入口付近の不要な照明を消すなど、担当者だからこそ気がつく細かな取り組みが行われている。レントゲン室ではレントゲン技師のスタッフが独自に省エネを呼びかけるポスターを作成し、貼り出した。「中央材料室という手術の準備に使用する部屋では、必要のない照明があるので間引いてほしいと声をかけてきてくれました」と山田氏。各部署には自然と省エネに関するリーダー的な存在のスタッフが現れ、“節電大臣”と呼ばれている。

「節電中」シールで活動を周知

 省エネ活動を周知するための工夫がもうひとつある。同院では照度計を使って病院の照度基準と照らし合わせを行い、過剰な場所の間引きを行っている。そこで、照明が外された場所には傘の部分に「節電中」と書いた黄色のシールを貼る。こうすることで、誰が見ても間引いたこと、また省エネ活動を実施していることがひと目でわかる。「廊下や事務所など、診療に直接関係のない場所が中心ですが、リハビリ室ではスタッフが自主的に全体の半分くらいの量を間引きして使用しています」と大浦氏。リハビリ室に日差しを採り入れる大きな窓が多くあることと、利用時間が昼間に限られていることが、大胆な間引きを可能にした。
 今後は、スタッフの滞在時間の長い医局などから優先してLEDへのさらなる入れ替えを進めていく。またトイレの人感センサーも設定時間を短くするなど、今ある設備をそのまま使うのではなく、見直すことで使用量の低減につなげていく。1%の低減も大きな一歩、さらなる工夫と改善が続く。

お話を伺ったのは

総務人事課 山田敦夫氏
総務人事課 大浦清史氏

企業概要
開設1955年
事業内容病院
従業員数396名
所在地奈良県大和高田市
TEL0745-53-5471

省エネの達人『企業編』でも放映されました!

テレビ番組 省エネの達人『企業編』で取り上げられました。
クリックで動画再生します。(4分00秒)



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